権利-6
「……ち、ちょッッ!?なに撮ってるのよおッ!!」
彩花に蹴られた太腿の痛みを感じながらも、性懲りも無く佐藤は風花の後ろから近づいてローアングルから撮り出した。
滑らかな肌をした太腿の真上にはダークブラウンの庇(ひさし)があり、その中には春の野原に咲く小さな花のような、淡い黄色のパンティが潜んでいた。
『見えちゃったあ〜。風花ちゃんのパンティは可愛い黄色ぉ〜……っと危ないなあ〜』
「と、撮るなって言ってんのよ!そのカメラごと蹴っ飛ばして壊してやるからッ!」
風花は必死にシャツの裾を握り締めて下に伸ばし、下から覗き込んでくるカメラアングルからパンティを隠そうとする。
しかし、そのままでいれば彩花は助けられず、千載一遇のチャンスを逃してしまう事になる。
『ホントに彩花ちゃんを担いで逃げるつもり?イキまくって腰が抜けてるんだから、一歩も歩けもしないと思うけど』
「う、煩っさいのよおッ!!井元さんは私が助ける!もう貴方達なんかの思い通りにさせないわッ!!」
『うひょー!さすが風花ちゃん、出来もしないコトを平然と言ってのける!ヒヒヒッ!?痺れるなあ!憧れちゃうなあ!』
チェーンブロックのフックが下がるのと同時に、彩花の上半身も力無く下がっていく。
吊られた右脚の位置は変わらないのに上半身だけが下がり、その股間の開度は痛々しいまでに広がってしまっていた。
「あ…ああ…ッ!?」
風花は焦りに焦っていた。
彩花の太腿は一直線になって伸びきり、秘肉は割れ目を境目にして左右がグニャリとズレて、歪な花弁に変形してしまっていた。
凌辱の爪痕をカメラに曝したのは自分であり、しかし、再びフックを引き上げて姿勢を戻し、麻縄から彩花の身体を解放するには時間が掛かりすぎる。
『風花ちゃんのプリップリなお尻を撮っちゃったあ。ウッヒヒヒ!早く撫で回したいなあ〜』
「誰が貴方なんかにッ…ほ、解けてお願いぃ!」
『カメラマンなんか気にしてたら時間が無くなるぜ?クククッ……あと一分しか無えぜ風花ちゃんよお』
緊縛の結え方は、固結びのように縄を押し潰すようなものではなく、幾重にも巻きつけて摩擦力を上げ、最後には束ねられた縄の間にチチワで通し、軽く結えるだけである。
最初に縄から解いていれば、彩花は風花の願い通りに解放されていただろう。
しかし焦っていた風花は、彩花の身体を吊っているチェーンブロックの存在感に目を奪われてしまい、全体重が結び目に掛かってしまう事態になる事すら考えも及ばぬままに、フックを下げてしまった。
ましてや結え方も知らないのだから、その簡単な解き方を自ら難しいものとして考え、あちこちに爪を立ててしまっている。
『クククッ!さあカウントダウンだ。5・4・3・2……』
「まッまだ五分経ってないぃッ!!イヤあッ!?は、離…してえぇッッ!!!」
『残念だなあ?時間切れだぜ風花ちゃ〜ん』
カウントダウンの終了と同時に田中は背後から風花に迫り、一気に抱き上げた。
悔しさに引き攣る叫び声を上げる風花は、あれほど隠そうとしていたパンティが見えてしまうのも構わずに両脚をバタバタと振り乱し、メチャクチャに暴れ出した。
低身長な風花の身体は完全に床から離れ、その両脚は宙を走り回る。
全く敵いもしないのは、一目瞭然であった。
「な、なに運んでるのッ!?なによその変なモノぉッ!!!」
伊藤と吉田はベッド部分に傾斜がついたベンチプレス台のような物を運んできた。
そして鈴木はへの字に曲がった鉄パイプのような物を持ち出した。
1・5メートル程の長さの鉄パイプの屈曲した部分にはカラビナが二つ並び、両端には短い鎖で繋がれた枷がブラブラと揺れている。
それが拘束具であるのは、瞬時に理解した。
(……つ、繋がれるッ!?……い…イヤだッッッ!)