レナ-2
ナミはあたしの股に手をやると、指をエッチな所に突き立てます。
子宮まで刺激が走りました。中に何かを入れられています。
「何これ。抜いてよ」
「魔のあれよ」ナミがひきつるように笑います。
「抜いて」
アッチがやさしく肩を持ちます。「だめなの。外から見えるところは取れましたが、癒着といって、体にひっついて一体化してしまっているのです」
「でも、取ってよ」
「膣と子宮、一緒になら取り除けるかもしれないとお医者様は言っていましたが、それを決めるのはあなたです」
「そんなことしたら、もう子どもも産めなくなる」
「私は取ってしまえと言ったんだけどね。穴さえあれば楽しめるわ、まあ、その穴も後で作るんだけどね」
「あれだけを取れないの」
「今はむりです、お医者様は方法を捜すとは言ってくれていますが、今の所あてはないみたいです」
「じゃあ、あたしのここは一生悪魔ひとりのものになるの」
「祓えますよ」「取ってしまえ」 同時に言われます。
「どちらにしても、すぐに決めなくてもかまいません」アッチが言ってくれました。
「でも帰らなきゃ、パパが心配してるわ」
アッチがナミを見ています。
ナミは見返して、「そんなこと、考えても仕方ないのよ」そして新聞をあたしに渡しました。
その、地方新聞の中に火事の記事が載っていました。
黒ミサの日のことです。家は全焼で、焼け跡から一家全員、パパとあたしの遺体が見つかったとあります。
「生きてるのに」
「でもそういうことになっているのですよ」
「でも帰らなきゃ」
「帰って、何があるのです」
何もありませんでした。家もなく、親兄弟もいません。親戚には、いたとしても会ったこともありません。
戻ってもどうすればいいかわかりませんでした。
それにへんなものを体に入れていたのでは、彼氏もつくれません。
利用価値もありません。せいぜい見世物小屋でさわらせるか‥ 惨めになるだけでした。
「あなたにはいくつかの道があります」
アッチを見ます。
「ひとつは、帰って、身許を照会してもらうこと。 きっと、成人の時まで公共施設に入る事になるでしょう。
次は、自由に誰でもない人生に飛び出すこと。 身分証明は何とか出来るかもしれませんが、このふたつには悪魔教徒の問題が残っています。
あなたの体の中の魔を奪いに来るかもしれません。ですからそれを持ったままでは危険です。
最後に、身許を照会してもらったあと、わたくしの養子になること。 仕事を手伝えるか見てみることになります。だめでも、18までは面倒を見てあげます」
「ビルから飛び降りることは言ってやらないの。悪魔崇拝者になることも」ナミが吐き捨てるように言います。