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St.レナ・テイル2 レナ
【ファンタジー 官能小説】

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レナ-1

悪魔に犯される。これは何度も繰り返して見る夢でした。
気が付いた時、そこは柔らかいベッドで、明るい小部屋の中でした。
ただ、部屋の中にはほとんど家具らしいものもありません。
体には軽い布団をかけられていました。
そこへ、いぶした銀色の髪をした小妖精のビスクドールのような人が入ってきました。
赤く小さな口はきつく結ばれ、青緑の瞳が人を射すくめます。
黙ったまま腕を組んで、こっちを見ています。
「気が付きましたね」ドアを開けて別のおばさんが入ってきました。
金色の刺繍の入った、黒いチューブドレスに黒髪をたらしています。
茶色い目に、額にルビーの飾りをつけています。
サリーを着ていれば、もうインド人です。それともそうなのかもしれません。
「アッチと呼んでくださいね」微笑みます。
「ここは? あんたはだれ」
「そうね、ひとつずつ整理していきましょう」優しく言います。 「まず、ここはわたくしの家です。あなたは黒ミサの中にいたのですよ」
「サバトよ。」それくらいあたしも知っています。「悪魔がいたの。それと魔女たち。あんたたちも関係あるの」
離れたところで銀色の女性が鼻をならします。
≪何が気に入らないのかな、つんつんした人だ≫
「よく間違える人がいるのですが、魔女のサバトと悪魔崇拝者たちの黒ミサは別物なのですよ」アッチが言います。
「そんなの初めて聞く」
「大雑把に言うと、魔女は神をあがめるのです、悪魔崇拝者たちはその名のとおり。あなたは神を汚す黒ミサのいけにえにされるところだったのですよ」
「もうされた」記憶がよみがえります。
「それはまだ始まりの一部です。あの後あなたは血を抜かれ、体を切り刻まれて、みんなに食べられるのですよ」
「『この血をワインとせよ。 この肉をパンとせよ』ということ?」
「よく覚えていましたね。冷静でいられたのね。えらいわ」
「覚えていたくなんかない」
「でも、悪魔に対して冷静さは大事なのですよ。今もそれを聞いて冷静でいられてますしね」
冷静というより、他人の話みたいに感じます。
銀色の女性がもう一度鼻をならしました。部屋を出ていこうか迷っているようです。
≪出て行けばいいのに≫「あんたたちも同じなの。あたしをいけにえにしようっていうの」
「わたくしたちは止める方です。なかなかうまくはいきません、たくらみがわかっても間に合わないことが多いのです」
「でもあたしは助けてくれたんだね」
「あなたが止めていなかったら、わたくしたちは間に合わなかったかもしれません」
「あたしが止めた?」
「そう。あなたが止めてなかったら、やつがあなたの中に味付けを注ぎ込んだとたん、首を切られていたはずです」
「味付け?」
「そう、やつらは神と称する者の精液で調理をします」
「それをあたしが止めたの。そして爆発させたの」
「魔を撃ったのはナミです」銀色を見ます。
「あなたにそんな力はないわ」初めて、銀色のナミが口を開きました。
「そう。助けてくれてありがとう」
「おまえは助かってはいない」ナミが近づいてきて布団をはぎます。
あたしは裸でした。


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