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St.レナ・テイル2 レナ
【ファンタジー 官能小説】

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レナ-15

「逆よ、バカなことで誰かが死ぬことだってありうるわ。今日も、おまえだったかもしれない、カラザだったかもしれない。それをどう言い訳する気。しっかり体に教えてやるから心に刻み込みなさい」ナミに服を脱がされます。
裸にされたところで両足に拘束具を付けられて、天井から逆さまに吊り下げられました。
天井からロープが下がっていたので不思議には思っていたのです。
≪なるほどこれか≫
ナミがあたしの体を揺すります。「今日はこれだけにしておいてあげる。しっかり反省するのよ」
「はあい」誰かが死んでいいなんてことは考えていませんでした。腹は立ちますが、ナミの言うとおりでした。
「いい子ね。ところでナミ、お願い」アッチが変な目つきをしています。
「わたしが?」
「お願いです」
ナミが部屋を出ていきました。
何かと、さかさまで見送るあたしの目の前に、アッチが座りました。ひざが鼻に当たりそうです。
「あなたはあなたでよくやりました。でもあの人はあの人の、人には言えない、言われたくないキズを持っているのですよ。
でも、きちんと洗って、ご飯も用意してくれたのはあの人です。そのことは忘れないでくださいね」 アッチが何を言ってるのかわかりませんでした。
ナミが戻ってきました。両手には、モコモコの真っ白なものを持っています。
「犬コロだ」叫んでしまいました。
ナミが下におろすと、犬コロは一目散にアッチのスカートの中へ鼻面を押し付けて、匂いを嗅いでいます。
「あらまあ、お客と同じね」アッチが笑っています。「でもお店でそんなことをしては、お出入禁止ですよ」
「イーシス、おいで」両手を差し広げます。体が回転してしまいます。真っ白なモコモコは、しっぽを振って、その中に飛び込んできてくれました。
尻尾で嫌というほど顔を叩きます。「ひどい、やめて」
それでも、このフワフワが気持ちいいのです。好きだよと言ってくれているのです。
「そういう名前だったのですね」
「今、付けたの。地面の下から救い出したから、大地の女神の名をもらったの。あたし、この子のために頑張る」尻尾でフワフワ叩かれます。
「いい名前だと思いますよ。イーシスは魔女の元祖とも言われています」
「イーシスは処女のままで身ごもったわ。大事にしてやるのね。おまえを助けてくれるかもしれないわよ」ナミも言います。
「助けなんかあてにしない。あたしはあたしの力で生きる。気まぐれなやつらの慈悲になんかにすがりたくない。ね、イーシス」耳の後ろを掻いてやります。
「へえ、それで、どうするつもり」鼻で笑います。
「私が石を拾ってやる。そして神にでも魔にでも投げつけてやる」
「正気か。運命と思えるようなものに戦いを挑むことになるのよ」
「あたしが投げちゃだめなんて誰も言ってない。あたしが罪を犯したの? 馬鹿な奴らに投げつけてやる。運命と言って、ただ殺されたりしてやらない」
「それなら見せてもらうわ」ナミはもう笑っていませんでした。
どんな事があっても、アッチさんには優しく支えられます。
ナミにはひどいことを言われ、怒りをかきたてられます。
でも、なにをされても、あたしにはフワフワがありました。




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