第二十九章 赤い血-2
『気持ちいいんだろ、マチルダ・・・』
男は執拗に責めたてる。
『認めるんだよ、マチルダ・・・』
「ああああ・・・いやぁ・・・あああ」
切れそうな糸を懸命に繋ぎとめるのだが、男は更に動きを早くする。
「あああっー・・・あっあっあっ・・・」
無数の快感が電流のように押し寄せる。
男は何度も繰返す。
『認めるんだ、マチルダ・・・。
お前は淫乱な女だ』
「あああ、あふぅっ・・・」
虚ろな目でマチルダが振向いた男の顔は、真っ赤な血に染まっていた。
「い、いやっー・・・」