ごほうび-3
「そう……だね、男の人だけ」
愛液とか潮吹きとか、それを知っている事自体が精液どころの騒ぎじゃなくなる。でも女の子って、何歳くらいから濡れたりするようになるんだろう。膣分泌液自体は性的興奮と関係なく出ているみたいだけど、たとえばまだ8歳の今のしのちゃんを同じように愛撫したらどうなるんだろうか……
「ふーん、やっぱりお兄ちゃんずるい。気持ちよくなるの、大人だけ男の人だけ」
しのちゃんがまた俺の隣にごろんと寝転んで、俺の頬に唇が当たるくらいの至近距離ですねたようにそう言う。あお向けの俺の左側から、しのちゃんにしてはちょっと強めの息臭が漂う。
「しのちゃんは、気持ちよくならないの？」
「わーエッチエッチ、お兄ちゃんのエッチ。女の子は、触ったりなんかしないもん」
軽く身を起こして俺の顔を見下ろすような姿勢でしのちゃんがそう言うと、エッチ、の「チ」に合わせて唾液の小さな粒が飛んできた。俺の鼻の穴のすぐ下に落ちたしのちゃんの唾液からのツン、と少し尖ったような唾液臭が鼻腔をくすぐる。しのちゃん、普段はあんまり唾液臭強くないのに、今日はめずらしいな。
「わかんないよー、女の子だって触りたくなるかもしれないし、気づかないうちに触ってるかもしれないし」
俺たぶん意地悪な顔してるんだろうな。しのちゃんの目の前で射精して、なんだか急に気が大きくなっている。賢者タイムに移行するはずがむしろ、性欲が加虐的に増してきているような感じだ。どこ行ったんだ俺の射精後不応期。
「しないもん」
ぷん、とふくらませたしのちゃんの頬を指先で軽くつつく。ぷはー、と吐き出される息を思いっきり鼻から吸い込む。しのちゃんの息臭。俺の大好きな「こいびと」、8歳のしのちゃんの生々しい匂い。自分の精液の匂いに誘発されたのか、しのちゃんの秘めた匂いを嗅ぎたいという気持ちがぐんぐん高まっていく。はるかぜ公園のトイレで嗅がせてくれた、スカートをめくったしのちゃんのむき出しのパンツから漂ってきた小2女児の性器の匂い。勃起が若干収まりかけた陰茎に、堤が決壊したときの洪水のように血流が襲いかかる。うう、しのちゃんの裸、しのちゃんのまだ全然ふくらみのない胸、かわいい無毛ワレメとその中、夢の中で見せてくれたしのちゃんの裸を、しのちゃんの恥ずかしい匂いを嗅ぎながら……あ、しのちゃんさっき……
「へへ、じゃあさ、はだかんぼでぎゅっ、してあげるから、俺のおちんちん、いっぱいさわってほしいな」
「うん！」
腕立て伏せの勢いが強い版みたいな動きで身を起こしたしのちゃんが、ベッドの脇に俺を見下ろすようにして立つ。にっ、と笑うしのちゃんに、一応念を押しておく。
「でも、しのちゃん、恥ずかしくないの？」
「うーん」
しのちゃんが軽く首を傾げる。
「ちょっと恥ずかしいけど……お兄ちゃんもおちんちん見せてくれてるし……それに、こいびとだから、はだかんぼ見せたりしていいんでしょ？」
そう言いながら、しのちゃんがノースリーブシャツのボタンを外していく。しのちゃんが、小学2年生の幼女が、俺の「こいびと」が、二人っきりの俺の部屋で服を脱いでいく。それも、通り雨に打たれて濡れた衣服を着替えるためとかじゃなく、二人で裸になって抱き合ったり互いの身体をさわりあったりするために。もう俺の鼓動はバスドラどころか銅鑼の連打になっている。全身の筋肉は勃起したおちんちんのように硬直していて、裸になっていくしのちゃんの姿から視線を離すことができない。
ボタンを外したノースリーブシャツの前がぱっ、とはだけられる。あらわになる、しのちゃんの裸の胸とおなか。スクール水着の日焼け跡が白く生々しい、しのちゃんが俺に初めて見せてくれた裸の上半身。
キュロットスカートを下ろしたしのちゃんの両手が、白地にライトブルーのストライプが入ったパンツの裾にかかる。俺が思わずごくり、と喉を鳴らした音は、幸いにもしのちゃんには聞こえていなかったようだ。
前かがみになったしのちゃんがパンツを脱いでいく。足元に落ちたパンツから両足を抜いたしのちゃんが、俺の視線に気づいて照れたように笑う。
「やぁだお兄ちゃん、すっごいエッチな目してる」
両手首をおへその下あたりでクロスさせるようにして立っているしのちゃんの、はだかんぼの全身。夢の中で見た妄想のようなものではない、リアルな、ぬくもりと息遣いとしのちゃんの匂いとがちゃんと合わさった、俺の目の前にあるしのちゃんのほんとうの裸。