幼馴染み、鮮血のちぎり-5
5.
「結婚はしていないの?」
「まあだ、健ちゃんは?」
「まだだよ、君と約束したから、待っていたんだ」
「本当?未だ覚えていたんだ」
「未だ結婚する年でもないし、道子ちゃんのことも忘れられないから」
健二は道子の肩を引き寄せた。
「嘘でもそう言ってくれると嬉しいわ」
唇を合わせた。あの夜のことが、昨日のように思い出される。成り行きとはいえ、随分と思い切ったことをしたものだ。
健二は、ドレスの上から道子の乳房を手の平で包んだ。乳首を指先で摘まむ。
「あの夜みたいね」道子が呟く。
そう、あの夜、健二の指が道子の胸に迫ってきたとき、道子は嬉しかった。
級友の兄、健二は道子の憧れの男性だった。体育の時間に、女性の生理、初潮や妊娠に付いて習った。健二と結婚すれば、そう言うことが当然のこととして行われるのだ。今ここで騒ぎ立てたら、そんな機会は失われてしまう。迷い考えあぐねているうちに、快感が迷いを圧倒して、健二のなすがままに身体を預けてけてしまった。
破瓜の痛みはむしろ快感だった。健二のお嫁さんになるんだ。
健二の身体が離れ、膣から漏れ出す精液は鮮血にまみれていた。脱いだパンティーで始末をした。出血が止まらずしばらく続いた。やがてそれは生理の出血と分かった。偶然なのか、健二との交わりが刺激になったのか、初潮が始まったのだ。両親はお赤飯を炊いて祝ってくれた。
急に引っ越しをすることになったが、小学生には何を為すすべもなかった。
「僕は本当に君が好きだったんだ」
乳首を、摘まみ続ける。
「君はまだ結婚していないんだろう?」
「あたし、夜の蝶になったのよ。借金を返すために必死だったの。でも身体はきれいよ。変な話だけれど、身持ちが固いと評判になって、むしろ良いお客がついてくれたわ。結婚したいから一緒に医者に行って処女かどうか調べたいなんて言う男もいたわ。あたしの処女はとうの昔に健ちゃんに上げちゃったんだから、丁重にお断りしたわ」
「良かった、君が一人でいてくれて」
「僕だって童貞だったんだよ、道子ちゃんに童貞を捧げた。道子ちゃん以外の女と寝たことも無い、今時流行らない話だけれど、気持ちは分かって欲しい。」
「嬉しいわ、健ちゃんがよその女と寝ている姿なんて、想像したくないもん」
「道子ちゃんっ」