覚醒、欲しがる未亡人 本間佳織D-3
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岳の方が家に早く着いており、つまみや酒類などを買ってきてくれていた。
「母さん、シャワー浴びてきていいよ。着替えておいでよ。特に作らなくてもいいように惣菜買ってきたからさ」
「あら……そう?じゃあ、二人で楽しんでて。変なこと言っちゃダメよ?岳が今日はお膳立てのつもりで武島くんのこと呼んだって言うのよ」
「なっ、母さん」
母親への気遣いを指摘され、岳が顔を真っ赤にする。
「武島くんとあたし、そんなんじゃないのにねえ?」
「はは、すごくいい先輩だよ、本間さんは」
隼人は恥ずかしそうにする岳に言った。
「我慢できそうにないんで、先にお酒頂いてますね。本間さん、お風呂入ってきてください」
「じゃあお言葉に甘えて」
先日、素顔を見られたこともあって、佳織は風呂でメイクを落としてからリビングへと向かった。
黒の半袖のマキシワンピースを纏っている。
引き戸を開けると、二人が楽しそうに会話をしているのが見えた。
「母さん、今日はすっぴんだ」
既に酔って上機嫌な岳は、先日のように佳織の顔について指をさして指摘する。
「ダメなの〜?もう、武島くんには見られてもかまわないわよ。武島くんのこと意識してるって岳に思われても困るし」
「わー、母さんごめんってー」
濡れた髪をかきあげながら、ソファーに座る二人の対面の床に、佳織は腰を落とした。
「俺、ちょっとトイレ」
岳がパタパタとスリッパを鳴らして、リビングの外へと出ていく。
そのとき、隼人が素早く立ち上がり、佳織の前へと膝をついた。
「武島くん?」
「意識してるって、思われたら困るんですか?」
「え?ちょっと、もう酔ってるの?」
佳織はからかわれているのだと思い、笑った瞬間。
隼人は佳織の体を右手で抱き寄せて、下着をつけていない胸を服の上から左手で揉みしだく。
「ん、待っ…待って…。岳、トイレ行っただけだからっ……すぐそこにいるのに」
「あとで…なら、ダメですか……」
「ダメだって、約束したよ…?……ん…それは、だ、ダメっ…」
隼人はじっと佳織の切れ長の目を見つめながら、乳頭の位置を探り当て、服の上から人差し指で弾いていく。
「何で……下着つけてないんですか、やばいって……」
隼人が人差し指で触れるそこが、どんどん固くなっていく。
佳織はたまらず、隼人の体を押した。
抵抗するものの、佳織の目は潤んで、彼の体を求めていることが一目瞭然だ。
ーーパタパタとスリッパの音がリビングの外から二人の耳に聞こえた時だった。