麻衣・陵辱-3
(逃げなければッ)
立ち上がろうとした瞬間、男に足首を掴まれた。空き缶が艶やかな肌を滑り落ち、カラカラと虚しい音をたてて麻衣の顔の下で止まった。
「逃げるたぁ俺もナメられたもんよ」
小峰の眼が冷たく光った。口調は街のチンピラそのものだ。
「焼きを入れねえとな」
男の言葉を処刑宣告と受け止めながら、麻衣は缶ビールの一点をじっと見つめていた。
黒い丸の中心に星印―――その星が地獄への入り口のように感じ、麻衣の全身に戦慄が走る。熱い涙が次から次へとあふれ出し、地獄の奥深くに吸い込まれていった。
「ギャアッ―――ッ!!」
アナルに火のついた煙草を押し付けられ、麻衣がかん高い悲鳴をあげた。いや・・・そう思ったのは麻衣だけで、実際には男の灼熱の肉刀を押し付けられたのだ。
「お望み通り、オマンコは勘弁してやるよ」
犬のように這う、麻衣の四つん這いの尻にのしかかりながら、男が言った。
「いやッ、そこはいやですッ、やめてッ!」
あまりのおぞましさに麻衣が泣き叫ぶ。
「マンコもヤだ。ケツもヤだ。ちょっとわがまま過ぎねえか」
小峰はせせら笑い、自慢の剛直でアヌスの柔襞をまさぐり続ける。
「結婚するあんたに心ばかりのプレゼントよ。ありがたく受け取りな」
禁断の器官に押し当てられた男の先端が、菊の花びらを強引にむしり取り、一気に侵入
してきた。
「いやあああッ!」
思わぬところに男の怒張を感じ、麻衣は狂ったように尻を振り立てた。
「そこはいやぁ!やめてぇ!」
やめてと言われてやめるような男ではない。相手が嫌がるほど面白いのだ。
一段といきり立った肉刀を、男はゆっくりと前後に揺すり始めた。
「い、痛いいッ――ッ!」
前戯もなにもないいきなりの抽送に、あられもない悲鳴をほとばしらせ、上半身をのけぞらせる。
麻衣の正面にシステムバスの大型ミラーがあった。いつもなら上品な制服スーツを身にまとい、笑顔で商品説明をしていた。
その笑顔は消え、不安と恐怖におののきながら犬のように犯されている自分がいた。
さりげないウェーブの自慢の髪は乱れ、べっとりと頬に張り付いている。愛する彼のために磨きをかけた肌には玉のような汗が浮かび、ヌラヌラと濡れひかっている。
自分が磨きあげた鏡面に、自分が犯される様がくっきりと映っているとは、何という皮肉だろう。
まさに地獄――現実とは思えない異常さに戦慄が背筋を走り、全身が総毛立った。
女の地獄は男の天国――まもなく新妻となる美人コーディネーターを屈服させ、煮るなり焼くなり好きに料理できるのだ。沸き立つ興奮に浸りながら、男はさらに激しく腰を振り立てた。