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ご主人様は中学生。
【その他 官能小説】

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ご主人様は中学生。-5

―…
「ただいま-。」
「誰もいないのに…」
「ん、まぁそうなんだけどさ。もう癖なんだよね。」
「…変なの」
「あ、二階行く?すぐ出来るから、早く下りてきて。」
「あぁ。」

カレーはルー入れるだけだし、ヨーグルトサラダは出来てるし…完璧。
「よしよし。」
そう言えば、カレーを誰かと食べるの久しぶりだなぁ。
「…うまそう。」
気付いたら鷹也はテーブルに着いていた。
「あ、いつのまに。てか、絶対美味しいって!!」
あたしの作ったカレーがマズいわけがない。つかカレーを失敗する人の方が器用だって。ルー入れれば嫌でもカレー出来るしさ。
麦茶を注ぎつつ、精一杯の抗議をしてみる。
「もう食べていいよ。」
「お前は?」
「あたしはまだ仕事あるし。」
「じゃあ待ってる。」
「…へ?」
「…誰かと食べるの久しぶりなんだよ。だから…」
「あぁ、あたしもだ。」
「え?静枝さんは?」
「一旦会社戻っちゃうからさ。いつも1人だよ。」
「へぇ」
「…そうだね。誰かと食べるの久しぶりだし、あたしも食べちゃおうかな。」
「うん。」

初めて鷹也と喧嘩なしで喋った気がする。やっぱり食は人を豊かにするらしい。家の事、学校の事、勉強の事、趣味の事。色々話してくれた。その時の表情が、いつもより柔らかくて優しくて、自然と笑えた。
少しばっかりジェネレーションギャップがあった気がするけど、私も若者だ。絶対。
「…さて、そろそろ片付けるね。」
「俺も手伝うよ。」
どうやら食事で打ち解けられたらしい。
普通に会話出来るって素晴らしい事だと思いませんか?
話してみると、鷹也は糞生意気な中学生じゃなくて、割と普通な好青年(ガキの割合高し)だという事がわかった。
「ううん、大丈夫。むしろお風呂入っちゃってほしいわ。」
ガス代もバカにならないのよね。庶民はお金に五月蝿いものさ。
「う…うん。」
何で口ごもる…?
「…別に変な意味ではないよ?」
一応釘さしてみた。笑
「わかってるって!!…行ってくる。」
青春だね、中学生。
「さ、洗い物しちゃおう。」

最後のお皿を洗い終わったか終わるちょっと前くらいに、リビングのドアが開いた。
「…あ!!ちょっと!!風邪ひくよ!!」
水道を止め濡れた手をエプロンで拭きつつ、鷹也に近づく。
「あちぃ〜んだもん。」
髪を洗って乾かさないまま来たのだろう。微妙に毛先から水滴が落ちている。
「駄目だよ。」
「ん-…」
「…んもう!!タオル持ってくる。」

タオルを持ってリビングに入ると、鷹也はソファーに座っていた。
「ほらッ」
差し出したタオルを横目で見て、またすぐテレビに移す。
「…この野郎。」
ムカついたからワザと視界を遮るようにタオルをかけて、頭を拭いてやった。ふふん。
でも、ガシガシ髪を拭いても、鷹也は何も文句をいわない。


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