投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

[姦獣共の戯れ]
【鬼畜 官能小説】

[姦獣共の戯れ]の最初へ [姦獣共の戯れ] 195 [姦獣共の戯れ] 197 [姦獣共の戯れ]の最後へ

純粋な願い-8



風花の側に、一人の女子高生が居る。
あの制服に黒髪のストレート……昨日ビラを手渡してくれた、あのキツネ顔の少女だ。
予想外の展開だが、別に事態が悪化した訳でもない。
このまま纏めて狩れるのだから、むしろ好転したと言えよう。

風花は少女を見つけたから駆け寄ったのだ。
男共の望むままに路地裏の最奥に立ち止まり、ボイスレコーダーを片手にして、なにやら会話をしている様子だ。
この好機を逃す手はあるまい……。


『そっちから防犯カメラとか見えてるか?』


鈴木は田中とスマホで通話する。
犯罪が起きた場所に《面倒なモノ》が追加されていないかの確認の為である。


{……見えないですね。汚い塀と生垣しか無いです}


新たに防犯カメラが設置された様子は無かった。
つまり状況は以前と変わらない。

あの日、夏美は二人だけで簡単に狩れた。
今回、相手が二人だろうが、今は全員で襲う事が出来る。
口を塞ぐ者とスタンガンを使う者の役割を密にし、しっかりと連携をとれば何の問題も発生しない……。


『いつも通りだ……慌てず正確に狩れ』


通学の時間なのに、何故あの少女はこの道に入ったのだろう?
沈痛な面持ちの少女と風花は並びながら歩きだし、二人の視線は先回りしていた軽自動車の方にしか向いていない。

……箱バンのスライドドアは、左右両方とも開けてある。

すぐ側の大通りから流れ込んでくる車列の騒音に、この狭い道をゆっくりと進む箱バンの放つノイズは掻き消されている。
ぐんぐんと距離を詰められる二人は未だ背後から迫る不審な車に気づかず、例え今から気づいたにしても、状況を理解して悲鳴をあげるまでに要する時間的猶予は、完全に削られていた。

鈴木は完璧を期している。
美桜の時に狩りに失敗した佐藤に運転を任せ、百戦錬磨の鈴木を先頭に強襲を仕掛ける……。


「ッ!?」


いきなり背後から聞こえてきた足音に振り向く前に、風花の口は鈴木の大きな掌で塞がれていた。
この異常事態に驚いて目を見開いた少女もまた、吉田と伊藤の二人同時の攻撃に沈黙を強いられる。


「ぅ"も"お"ッッッ?」

「ん"ん"ん"ん"ッ!?」


鈴木の掌を引き剥がそうとする風花は、両腕に電撃を喰らわされて棒立ちとなり、そのまま両の脇腹に電撃の追加を浴びて自立すら不能にされた。
少女は二人掛かりの抱擁に身動きすらとれず、首筋と脇腹に電流を流されて尽きた……。


『まだ止めんなよ。しつこいくらいで丁度いいぜ』


二度、三度と電撃を喰らわされる二人は、口を塞がれたまま箱バンの中に引きずり込まれた。
ボイスレコーダーや通学カバンを拾い、落ちている全ての証拠品を現場から無くした男共は静かに路地裏から出た。


『へへへぇ……キツネちゃん、ちょっと鞄の中を調べさせて貰うねえ?……と、ありましたよ生徒手帳〜……〇〇高校一年C組、井元彩花……ヒヒッ!?夏美ちゃんと同じクラスかあ』


彩花という名前が判明した少女は、恐怖と狼狽に溢れる瞳をギョロリと剥いてきた。
急転直下の事態に混乱の最中にあるだろうに、夏美の名前を聞いて更にそれに拍車を掛けているようだ。


『クククッ!なあ、身体が動かねえだけで、耳はちゃんと聞こえてんだろ?向こう≠ノ着いたら池野夏美のコトを全部《教えてやる》よ。楽しみにしてるんだなあ』


平日の通勤時間。
人気の無い河原で止まった車内で二人は布製の猿轡を嵌められ、薄手の毛布と麻縄で簀巻きにされた。
車外ではナンバープレートの交換も行われ、走行中に粉砕された二人のスマホは泥の深い淵へと投げ捨てられた。
その場所に防犯カメラなど望むべくもない……。






[姦獣共の戯れ]の最初へ [姦獣共の戯れ] 195 [姦獣共の戯れ] 197 [姦獣共の戯れ]の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前