お兄ちゃんの好きなもの-3
夏の午後の日差しをモロに受けた多目的トイレの中は、ペットボトルの冷えたポカリのおかげでだいぶ引いていた汗が一瞬で復活するほど蒸し暑い。おむつ交換台の上にランドセルを置いたしのちゃんも
「ふー、ここ暑いねー」
と言いながら右手でぱたぱたと顔をあおいでいる。その鼻の頭にはもう、じわっと汗がしみ出していた。
さて、どうしよう。いや、どうしようもなにも、俺はさっきベンチから立ち上がった時点で、下半身も立ち上がっている。今日のスケーターショーツは硬めの素材だから行き場所が制限されて、剥けかけた亀頭がトランクスにこすれてちょっと痛い。
俺はさっさとスケーターショーツとトランクスを膝まで下ろした。しのちゃんにまた見せつけられる、しのちゃんのパンツが見られる。その興奮から、勃起はすでにマックス状態で、トランクスを下げると同時にピン、と、俺の正面に立っているしのちゃん目がけてそそり立った。
「ふぁ、すごぉい……」
一瞬だけひゅっと身体を後ろに引いたしのちゃんは、すぐに姿勢を戻すとそのまましゃがみ込んだ。仮性包茎が完全にカリまで剥けた亀頭にしのちゃんの吐息がかかる。亀頭に感じる熱は、トイレの室温よりもたぶん高いしのちゃんの体温をまとった湿っぽい吐息のそれだ。背の低いしのちゃんがしゃがむと、しのちゃんの顔はおちんちんよりも下に来るから、見下ろす俺からは、ゆうべもしのちゃんの動画でオナニーして射精した赤黒く充血した勃起がしのちゃんのかわいい8歳の顔にオーバーラップして見える。
「しのちゃん、どう……おちんちん、しのちゃんに見てもらったらこんなにおっきくなっちゃったよ」
俺の呼吸もやや乱れているのは、トイレにこもった夏の熱気のせいばかりじゃない。
「うん……こないだよりも大きいかも」
こないだは半勃起で、今日はフル勃起だからな。
しのちゃんがなにか言うたび、俺のゆうべ射精したばかりの弾丸型で薔薇色の亀頭にしのちゃんの吐息がかかる。そのくらい亀頭の近くで呼吸しているから、しのちゃんの鼻腔にはおちんちん―今日一日の汚れがこびりついた―の匂いが届いているはずだ。
「おちんちんって、なんで大きくなったりするの?」
俺の亀頭や陰茎を見つめたまましのちゃんが言う。
「うーん……やっぱ、好きな人に見られると、興奮しちゃうからかな」
「こーふん?」
しのちゃんが顎を上げ目を見開いて俺を見る。
「お兄ちゃんこーふんしてるの?なんでなんで?」
いや、そんな嬉しそうな顔で聞かれても。それよりもしのちゃん、「なんで?」の「で」で開いたまんまのかわいい口、俺がこのまま腰を付き出したらおちんちん入っちゃうよ。
「なんで、ってもなぁ……しのちゃんが、俺のおちんちん見てくれてると思うと、どうしても」
「だって、こーふん、って、エッチな気持ちになったらするんでしょ?お兄ちゃんまだあたしのパンツ見てないじゃない」
そうだそうだ、しのちゃんのパンツ。
「んー、でもしのちゃんがこれからパンツ見せてくれるかと思ったらさ、もう興奮しちゃったんだ」
そう言いながら、俺は背後の洋式便器に腰掛ける。便座のプラスチックも室温で温められてねっとりと熱い。
「じゃあしのちゃん、パンツ」
「ふふ、いいよ……えっと、立ったほうがいい?」
「うん、立って、スカートの前のほうだけめくって」
しのちゃんはすくっ、と立ち上がり、両手をデニムのスカートの裾にかけて、ぱっ、とお腹のほうにめくり上げた。俺の両膝をスカートの裾がさっと掠める。
「どうぉ?見える?」
「……うん、しのちゃん、かわいいパンツ穿いてるね……」
「へへへ、やだぁ、お兄ちゃんにパンツ、こんな近くで見られてるー」
上半身が前のめりになった俺の目の前、むき出しになったしのちゃんの太腿の、皮膚の模様さえはっきりとわかるほど近い距離に、パンツに包まれたしのちゃんの股間がある。夏の日差しに軽く焼けた花葉色の、まだ脛のあたりとそれほど太さの変わらない二本の太腿、そしてその上の、おへその下から太腿のつけ根までを覆う、今ここでしのちゃんが穿いているパンツ。
「しのちゃん、もうちょっとだけ、スカート、引っ張ってみて」
「やらしー」