幼獣-2
「……ひッ…!?う…嬉しいです、御主人様…ッ」
涼花は怯えながら服従と屈辱の言葉を発した。
乱暴な輪姦に曝され続けた涼花は、もう抗う気力すら尽き果てていた。
いや、それだけが理由ではなかった。
あの日の美桜のように麻袋に入れられて隣りの部屋に放置された涼花は、明日香が人身売買の組織の連中に買われていく《声》を、聞かされていた。
『ちょっとくらいイカれてたって構わねえよ。予測不能な行動をとるなんてペットなら当たり前だしな。よく言うだろ?『バカなペットほど可愛い』ってな』
『どのみち買われた先じゃあ三日と保ねえよ。マジでイカれたヤツしかお客様には居ねえしなあ』
地獄はここだけではない。
この場所のその先に、まだまだ地獄があった……。
『スタイルは抜群。オマンコもアナルもそんな使い込まれてねえ。こりゃあオークションで高値がつくぜ』
『まあ、高額で買うヤツほど直ぐに《壊す》けどな。アイツら程度ってモンを知らねーし』
もう二度と明日香には会えない。
そして次に奴らに売られるのは、自分なのだ……。
『涼花≠ソゃん、今日も御主人様と一緒に頑張ろうねえ』
撮影の為に洗われた髪は、とてもサラサラしている。
大切に飼育されているように見えるが、御主人様からの罵倒に曝され続ける日々を涼花は送っていた。
『ボクは誰にも知られていないダイヤモンドの原石みたいな美少女が欲しかったんだ。なのになんだよオマエ、女優とか何とか……悪いけどオマエなんか狩って《損した》よ。ハッキリ言って『要らない』んだよ』
『オマエも明日香みたいに売ってやろうか?言っておくけどココが天国だったって思えるくらいの地獄だから。ボクの言いつけを守れないなら速攻で売ってやるよ』
カメラが回っている時だけ、御主人様は『可愛い』『大好き』と褒めてくれる。
何も嬉しくない台詞を囁かれながら、涼花は幼い身体を蝕まれていた。
そして卑猥な台詞を強制され、心までも自傷している悲劇……。
『御主人様は涼花ちゃんのお尻を調教したいんだ。どんなポーズをとれば御主人様はやり易い≠ゥなあ?』
「お…お尻…ッ」
涼花は震える手を床に着き、四つん這いになって尻を高く突き上げた。
カメラマンと化した男共の輪の中での其れは、自尊心すら投棄してしまった屈辱の態度だ。
『あ〜あ……違う違うぅ。ペットなんだから先ずは服従≠フポーズからだよ。犬みたいに手足を曲げて仰向けになるんだ。ほら、早くお腹を見せてごらん』
「〜〜〜〜〜ッ!」
いつも御主人様は涼花の行動を否定する。
仰向けになれば四つん這いになるよう強い、そして逆ならばまた同様な態度をとる。
仰向けになるしかない涼花の瞳に、ストッキング越しでも冷淡と分かる御主人様の視線が刺さる。
慣れる事のない悔しさと哀しさ……微かに涙に潤むその瞳は、自滅の最中に表れてしまった恍惚ともとれた……。
「う"ん"ッ!?あ…あぁッ!」
自ら作り上げたM字開脚……御主人様が選んでくれた純白のパンティの上から、当然のように幼器が弄られる。
拒みたくても拒めない刺激は快感となって身体に沁み渡り、程なくして涼花は堕ちた証を御主人様に見せつけていた。
『フフフッ……すっかりドスケベなオマンコになっちゃってえ。連れてこられた時はあんなに嫌がってたのに』
「ッッッ!!!」
失望と絶望が、一気に噴出した。
あの時の自分は、もう自分の中にすら存在しない。
絶対的な《弱者》である自分が、これ以上の地獄に落ちたくないからと屈服を選択するのは仕方がないとは言え、ここまでになってまでペットを演じねばならない今≠ヘ、あまりにも情けなくて死にたくもなる。
『最初は嫌だったのに、気持ち良いって分かってから病みつき≠ノなっちゃったのぉ?御主人様のナニがそんなに気持ち良かったのぉ?』
「ごッ…御主人様の手マンとおチンチンです…ッ……もっと気持ち良くされたいんです…ッ」
溜まっていた涙がポロリと落ちた……。
明日香のように、もっと異常な世界には売られたくない。
となればペットとして此処に止まり、御主人様に気に入られ続けるしかない。
冷血な獣の群れに囚われている涼花が生き残る≠ノは、他の選択肢など無いのだ。