初めての邂逅-5
それを皮切りに、抱きしめる強度が強くなり、冴子の唇を舌で割る。
「ちゅ、んっ…門井く…ん。だ…め、だよ…?」
母親が部屋の外にいるというこの状況で、冴子に手を出したくはなかった。そういう気持ちはある。
だからこそ、キスを何度も繰り返し、やめることができない。
「んっ…ふぅ…」
「はあ…はあ…」
唇を離した時には獣のような荒い息を吐き出していた。
目の前のいやらしい肉体に発情し、目を赤くしている。
「どうしたの……お母様いるから、ダメ」
「だって、隣においでなんて言うから…すげえやりたい…」
抱きしめたまま、冴子の耳元で泣き言を言う。
「ごめんなさい、それで離れてたの?」
ぽんぽん、と冴子は優しく背中を叩いた。
「うぅ…わかってるくせに。飯塚さん、意地悪だ」
「本当にわかんなかった。ごめん。おうちで、お母様いるのにそんな目であたしのこと見てるなんて思わなかったの」
「すみません……。
俺は…家だし、あとで何とでもなるから…。これ以上のことはしないから、キスだけしてもいいですか……」
「何?あたし、門井くんのオカズになっちゃうの?」
つんつん、と指先で頬を冴子につつかれる。
その指先でなぞられ、気持ちのいいところを刺激されたらどうなるのかを、悠斗は知っている。だからこそ、頬を触られただけで、今にも犯してしまいそうだった。
「しちゃいます……すみません。やばいけど…我慢するから…飯塚さんにキスしたい」
「いいよ…キス、しよ?」
冴子は悠斗の頭に手を回して自ら顔を近づける。
唇同士が触れたかと思うと、にゅるにゅると、冴子の柔らかい舌が口腔内に入り込んでくる。
口の中を舌で愛撫されるだけでこんなにも気持ちいいのに、自らのペニスをこの凶器とも言える舌で刺激されれば当然気持ちいいに決まっている。
冴子の背中に手を回して、背中を撫でる。
ブラジャーのホックに手が触れた時、それを外して、体に似つかわしくない大きな胸を触りたくなってしまった。
「門井くん、エッチ…。目がとろんとしてる」
「だ、だ…だって……」
「あたしは後輩にどんなオカズにされちゃうのかな?」
冴子はクスクスと笑って、二人の唾液まみれになった悠斗の唇を人差し指でなぞる。
それだけで思わず悠斗の眉が八の字になる。
「可愛い。そんな顔されたら……あたしが門井くんのこと、触りたくなっちゃうでしょ」
その言葉を聞いて悠斗は冴子の耳元に唇を寄せた。
「飯塚さん、そんな期待させるようなこと言わないで。母さんいるのに、ひどいことしちゃうから、もう我慢できなくなる」