「後悔」-3
繊毛が生えているのは恥丘の上だけで、割れ目のまわりの膨らみはほとんど無毛状態だった。色にくすみのない大陰唇は素肌に近い色で、まだしっかり閉じ合わされている花びらだけが、サーモンピンクに色づいている。縮れて身を寄せ合っている花びらをひろげると、初々しい薄桃色の粘膜が恥ずかしげに顔をのぞかせた。
男優はそこに顔を近づけると、舌を伸ばし、ハート形に広げた花びらをなめあげた。
「あああっ!」
沙織が甲高く叫び、太腿で男優の顔を挟む。男は尖らせた唇を沙織の性器に押しつけ、激しく舌を躍らせて、薄桃色の粘膜をなめまわす。
「あ…、あぅ、あふーン…」
男優の舌が沙織の急所をとらえたらしい。下からゆっくり花弁をなぞりあげると、沙織はベッドの上で身もだえして、艶っぽい声をあげている。長尾は、何かとてつもない失敗をしたような気分になり、モニターから目を逸した。
「よし、入れろ!」
監督の指示が出た。男優は沙織の脚を押し広げ、すっかり硬くなった肉棒を割れ目にあてがった。
「さあ、入れるよ!」
声とともに、祐太朗は先端で探りあてた肉のくぼみに陰茎をぴたりとあてがうと、ゆっくり押し込んでいった。勃起した肉棒が沙織の濡れた膣口を押し開き、意外と簡単に王冠部が中に入った。
「いっ、痛いっ!やめてえ…!」
侵入から逃れようと、上へ上へと身体をよじる沙織の太腿を男優が抱え込み、こちらへ引き寄せた。そして同時に、ズーンと腰を突き上げる。処女膜が引き裂かれ、肉棒が沙織の中に埋め込まれた。カメラマンが複数のカメラを駆使して、2人の結合シーンを様々な角度から収めていく。
見つめる長尾の心に、次第に怒りに似た感情が込み上げてくる。
(俺は、嫉妬しているのか…)
長尾が自問する。男優に抱かれる沙織の肌が、目に痛いほど白く滑らかだった。
「いいよ…、沙織のオ××コ、最高だよ…」
男優はそう言いながら、ゆっくりと肉棒の挿出を開始した。
とたんに、沙織が悲鳴をあげる。
「ああっ…!動かさないでっ!いたいっ、痛い!」
「だんだん気持ちよくなってこないか?」
そう言うと、男優はピッチを速めて腰を前後させた。
「あ…、あっ…、ああっ……」
沙織の身体が弓なりにのけ反る。眉根を寄せて喘いでいるのは、快感ではなく、痛みに耐えているようだ。
「いく…、いくぞ!」
男優は、そういいながら激しく腰を動かし、沙織の体内に男の精をぶちまけた。
「ああぁ…」
沙織が哀しげな声を漏らした。
男優が身体を離すと、大きく両脚を広げたままぐったりとしている沙織の周りにカメラが一斉に集まった。仰向けにされて、いくぶん平たくなった乳房が呼吸にあわせて激しく上下している。
「よし、オ××コのアップだ、ザーメンが逆流してきたぞっ!」
監督の声に、長尾も思わずモニター画面を見た。濡れた女陰が大きく映し出され、割れ目から白いどろっとした液体が流れ出す。白濁した男の体液に破瓜の血がうっすらと滲んでいた。
続いて、モニターに映し出された沙織の表情は、放心状態のそれだった。両方の眼尻からは涙が頬を伝って流れている。やがて、沙織の顔がくしゃくしゃに歪み、両手で顔を覆って泣きじゃくった。