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「後悔」
【アイドル/芸能人 官能小説】

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「後悔」-1

「やっぱり、私、嫌です。このお仕事キャンセルさせてください。」
「困ったな、そう言われても、どうしようもないよ。事務所はもう契約金もらっちゃってるんだよ。」
「他のお仕事、いっぱいやって、返します!」
「そう言われてもなぁ…」
 撮影の準備が着々と進む中で、沙織は、マネージャーの長尾を相手に最後の抵抗を試みていた。
 長尾と事務所の社長に何度も何度も説得され、とうとう自暴自棄になって出演を承知してしまったが、その直後から、沙織は激しい後悔にかられていた。カメラの前で裸になるなど、恥ずかしくて、恥ずかしくて、やはり耐えられそうにない。
「18歳の記念に綺麗に撮ってもらえるよ。ブレイクするチャンスじゃないか。」
 長尾は、そう言いながらも、実のところ冷や汗ものだった。
沙織には、ヌードシーンやラブシーンがあるという程度の説明しかしていないが、それでも、ウブな彼女は半べそをかいている。本当は、男優に愛撫され、処女を奪われ、セックスするアダルトビデオだと聞いたら、どうなってしまうだろう。
 結城沙織は、現在売り出し中の美少女アイドルである。しかも、清純、可憐、ノーブルを売り物にしていて、水着姿ですらNGというのが、これまでの方針だった。それが、急転直下AV、しかも「処女喪失物」に出演させることになったのは、専ら事務所の経営状態によるものである。スジの良くない金融業者から高利の金を借り、正統派アイドルをじっくり育てる余裕など、これっぽっちも残っていない。
「でも、嫌です。」
 必死で訴える沙織の様子を見ていると、可哀想だという気持ちが湧き起こってくるが、長尾としては、なんとしても落とさなければならないとの決意を固めていた。社長から「事務所が倒産するかどうかだ」「お前のクビがかかってると思え」などと散々に脅されている。
「頼むよ。俺に恥をかかせないでくれよ。」
「長尾さん…」
 ついに泣き落としに入ると、沙織の表情が変わった。
「わかりました…、ごめんなさい、ワガママ言って…」
 目を伏せ、あきらめたような表情で言う沙織を見て、長尾の良心は激しく痛んだ。

 照明が一斉につけられ、広いスタジオの中が余すところなく照らし出された。
 いよいよ撮影が始まった。コテージの一室を模して作られたセットの窓辺に、セーラー服姿の沙織が立った。セーラー服は、沙織が実際に学校で身につけているものだ。学力も求められれば、経済力も家柄も相当でないと入学できないという噂の、有名なお嬢様学校である。
「アクション!」
 監督の声を合図にカメラが回り出す。
 じっと正面を見つめる沙織のアップが、スタッフが見つめるモニター画面に映る。繊細な美貌は、背中のあたりまでまっすぐ伸びた艶やかな黒髪とあいまって、気品と言ってもよい雰囲気を醸し出している。幼さの残る顔立ちと華奢な体は、抱き締めたくなるほど可愛い。
「わたしを見て…」
 ためらいがちに小さな声で台詞を言うと、沙織はセーラー服のリボンをほどいた。いよいよ着ている物を脱ぐシーンだ。
 セットの周りには数台のカメラが据えられ、監督とスタッフが見つめている。大勢の視線とカメラが集中するのを感じ、沙織の頬がピンク色に染まった。
 沙織は恥ずかしさをこらえて、セーラー服を、そしてスカートを脱ぐ。薄いピンクのブラジャーから胸の膨らみがはっきりとうかがえ、丸みを帯びた愛らしいヒップをブラとお揃いのセミビキニのパンティがぴっちり包んでいる。
「わたしに、触って…」
 男優が沙織に近づき、その背後に回る。
 そこでシーンが終わる、…はずだった。
 沙織はそう思っていた。
 しかし、男優の手は沙織の背後から乳房を掴み、いやらしい手つきで揉み始めた。
「きゃあっ!いやぁ!」
 沙織が悲鳴をあげて逃げ出し、撮影が中断する。


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