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友達の母親は未亡人
【熟女/人妻 官能小説】

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初めての社外業務-2

冴子は少しかがむと、悠斗のパソコンの画面をちらりと見る。

「気にしないで。門井くんも、もう少しで終わりそうだね。良かった。終わったらすぐ帰りなさいね」

近い距離で、耳に入る声。甘い香水の香り。
綺麗な顔立ちではあるが、十五も年上の冴子のことなど、今までなら意識したことさえなかったのに…

佳織との関係のせいで、年上の女性に対して見る目が変わってしまったらしい。

しかも優しくされたことによって、冴子に対する感情はがらりと変わってしまったようだ。

「あ…。ありがとうございます」

「うん。ーーお先に失礼します、お疲れ様でした」

オフィスに残っている社員に聞こえるように丁寧に挨拶をすると、冴子は部屋を出ていった。




冴子が言ったように、冴子が部屋を出て程なくして、悠斗のデータ入力も終わった。
データの書かれた書類を鍵付きの引き出しの中へ押し込むと、「お先です」と挨拶して、部屋を出る。
このフロアに入っている部署の社員が使う、男子更衣室兼休憩室にある自分のロッカーへ、コートを取りに向かった。
長い廊下の先に、女子更衣室と並んで男子更衣室は置かれている。

ふと、女子更衣室のドアの横で電話をしており、白のコートを羽織っている冴子の姿が目に入った。
冴子と目が合ったので軽く会釈をし、男子更衣室へと入った。

ネクタイを外し、黒い革のリュックの中にしまい込むと自らのロッカーを開けてベージュのコートを取り出す。
忘れ物がないか確認し、更衣室を出る。滞在時間はほんの数分だっただろう。

まだ冴子はそこにいた。

「ーーうん、今日はごめんなさい。また連絡する」

一階まで降りるためのエレベーターに向かう際に、そう話す冴子の声が耳に入った。

エレベーターを待っていると、冴子が横に並んだ。

「予定、あったんですか。すみません…。電話、聞こえたので」

隣に並ぶ冴子を見て、悠斗は申し訳なさそうに謝った。

「ううん、あたしが残業するって決めた時点で今日は無理そうって連絡してたから。気にしないで。
それよりも、もし良かったらご飯付き合ってくれない?お腹減っちゃった」

エレベーターのドアが開き、二人が乗り込む。

「俺はいいんですけど…さっきの電話、彼氏じゃないんですか。怒られませんか」

「あたし、彼氏いないよ」

「え…。じゃあ」

悠斗は少し悩んで問いかける。

「さっきの電話の感じ、男性かなぁと思ったんですけど…。この間、俺、会社の最寄りのホテルに一緒に入ってるところ見ちゃって…」

冴子は悠斗を見て目を丸くしていた。さすがに、悠斗はしまった!と思い焦る。

「俺、誰にも言ってないですからね…?知ってるでしょうけど、会社でたくさん喋る友達とかいないし」

「ーーそう。見てたの。見られちゃったなら、口堅いの信じて言うけどさっきの電話、門井くんが見た人と同一人物。
彼氏とかじゃなくてセフレだから。ご飯食べるくらい怒られたりしない」

エレベーターが一階に着いて、ビルを出ると風が冷たかった。

「ーーでも、とはいえ結構気合い入れてたんじゃないですか?」

エレベーターでの先程のやりとりからしばらく無言だったが、悠斗は沈黙を破る。

「何でそう思うの?」

「ーーいつもと、香水違ったから」


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