初めての熟女AV-4
「三冊くらい、借りてっちゃおうかな。これと、これとこれ。大丈夫?」
くるり、と佳織が笑顔で振り返る。
「うん。小説今すぐ必要なこととかないからさ。何冊でも。読み終わったらまた借りに来れば」
「ありがとう。悠斗くんって本読むんだね。岳は映画なんかは好きだけど、本は読まないみたいで」
「確かに。岳の部屋行く時、大抵お酒飲みながら二人で映画見るしね。岳の選ぶコメディテイストのホラー、面白いよ」
「えっ。ホラーなんて見てるの?」
クスクスと二人で立ちながら笑っていると、佳織は視線の先をテーブルの下に移す。
「あ。悠斗くんも何か借りてるじゃん。何借りたの?」
ーー佳織は見ていたのはレンタルショップの貸し出し用袋だった。
「それは…」
制するより先に、佳織はかがんでその袋を手に取る。
「……!」
貸し出し用袋の透明なポケットには、返却期限と貸し出しタイトルの書かれた伝票が挟まっている。
中身がアダルトビデオだということに加えて、『私、息子の友達に抱かれました。』という文字を、佳織はばっちり見てしまったという顔をしていた。
「あ、悠斗くんだってこういうの借りるよね…。ごめん…」
「い…いや…ごめん」
悠斗は佳織から袋を半ば奪い取るようにすると、それをテーブルの上へと置いて、ベッドに座る。
佳織は、借りようとしている本をテーブルの上へ置いて、悠斗の右隣へ座った。
「男の子だね…三本ともAVって」
「たまたま!」
「全部同じ人だったね…」
「それもたまたま!なんか、可愛かったから借りてみた!」
「母親役やるような人が可愛いっていう年齢なの?」
「見たけど、可愛かったよ…。可愛いってか、エロかっ…た」
(ーー俺、何言ってんの?!)
思わず、時間を巻き戻して欲しいと思った。
借りたアダルトビデオのタイトルを見られ、その感想まで言ってしまうなんて。
しかも、佳織は悠斗が真っ先に『私、息子の友達に抱かれました。』を見たのであろうという質問をしてきている。
「何がエロかった?興味ある」
「えっ、え…」
「答えられないなら、どんなストーリー?それなら教えてくれてもいいでしょ」
「う…。友達の母親の……オナニーを見ちゃって…我慢できなくなって、レイプするっていう…」
「え…」
悠斗は答えたあと、しまった!と思って、佳織の方へ顔を向けた。
二人の、あの時の状況と酷似したストーリー展開。
佳織は顔を真っ赤にしている。