3丁目の深夜-6
桜井秀行(67歳)の視点
野獣の咆哮だ。
普段の爽やかな好青年・水川氏に漂う清涼感はただ一片の欠片もなく、そこに居るのは2匹の獣。本能のままに求め、叫び、情欲をむさぼっている。
いや、しかし待て。獣には見られて恥ずかしいという気持ちはない。逆だ。彼らは高度な知能・精神を持つが故、神話のエロスを自身に憑依させ、生命力迸る淫らな濁流に飛び込んだのだ。
敢えて痴態を晒す。その激しい羞恥が強く脳を刺激し、自らをより強い高揚感へと導いていく。
少しニヤけたような恍惚の表情を浮かべ、よだれを飛び散らしながら叫び声を上げて精神を開放して、知性と品性は夜の闇に溶けてかき消されて行く。
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
「はぁ、はぁ、菜緒!菜緒!気持ちいい!!気持ちいいぞ!ああ…チ、チンポが、俺のチンポ…ッ!いッ…いい!!いいッ!菜緒!はぁ、はぁ、はぁ、……ッ!」
「ああーーッ!ああおおおッ!おッ!おッ!おおおッ!オッ!オマンコ!オマンコ!オマンコおぉぉーー!!おおおおん゛ッ!おああッ!」
普段から清楚で慎ましく、湧水のように透き通った美貌を湛えていた奥さんは、気の狂った強欲な淫獣と化して我々の目の前に顯現している。
パン!パン!パンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!!
「はーっ、はーっ、おらっ!おらっ!外でこんなこと…。外でマンコしてるんだぞ!?なぁ!菜緒!外でマンコしてる!外でマンコ!外でマンコ!こんなに見られて…!菜緒!菜緒ッ!うううあッ!イッ……!………はッ、はッ、はッ、はーッ」
水川氏は目を血走らせて、取り憑かれたように奥さんに腰を打ち付けていた。
「んぐおおおおッ!!おおおッ!ぐッ…ああああああーッ!いいいいーーッ!いいッ!お゛ッぉぉぉ!いあああ、あんッあんッあんッ……あぐッ!」
街灯に照らされて、彼女の汗に濡れた白い肢体がキラキラと輝いていた。
美しく引き締ってしなやかに伸びる両脚は、雪のように真っ白な肌色だ。その根本には真っ赤なヴァギナの花が咲いている。清楚な煌きの純白と、情欲の蠢きの真紅。そのコントラス身悶えする程の激しい劣情を呼び起こす。彼女は白目を向いて、舌をたらし、涎を飛び散らしながら喘いでいた。
「あ、相変わらず凄いですね…」
永島が彼女から目を離さずに言った。
「ああ…」
私も同じく、声だけで答える。自分のモノをシゴく手を止めることは出来なかった。
「はぁ、はぁ、はぁ、うッ……」
隣の永島の動きが止まった。
「な…永島、いっ……イったのたのか?」
やつは息も絶え絶えに答える。
「は、はい、はぁ、はぁ、はぁ…」
可哀想に、一番の抜きどころの前に果ててしまったようだ。
「おそらく、もう少しで、ま、またオマンコ連呼始まるぞっ……」
「そこまで我慢出来ませんでした…」
「オマンコイク!オマンコ!オマンコイっちゃううううーー!!」
「き、きた」
「…………………ッ」
よし、ここが抜きどころだ。私は軽く脚を開き、一気に握力を込めてシゴく腕のストロークを短くしていく。
「オマンコ!オマンコ!オマンコオマンコオマンコ!オマンコイクオマンコイクオマンコイク!オマンコイク!オマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコッ!!」
淫靡な声と下品な単語が、耳の奥に突き刺さる。
美しく整った顔、汗で首筋に張り付いた髪の毛、激しく揺れる乳房、打ち付けられる肉の音。愛液でベトベトに濡れて光る女性器…。
股間の快感がどんどん高まり、震える程の絶頂感が忍び寄って来る。
私は獣ではない。恥を知る人間だ。しかし身体の中の欲情が溢れすぎて口から言葉となって漏れ出てしまう。「オ、オマンコ……菜緒さんのオマンコッ……」
幸い、菜緒さんの絶叫のおかけで隣にいる永島には聞かれずに済んだ。
右手のシゴく速さはマックススピードで、タンタンタンタンと腹に手を打ち付ける程の勢いだ。
空いている左手の平で亀頭をこねる。
「イク、イク!イグッ!ああああ!オマンコイグッ!オマンコ!ねぇーオマンコイク!オマンコイク!イっちゃう、イっちゃうううううーー!イクよ?イクよ?ねぇ私イク!イク!!イキます!イキますッ!オマンコッ!!オマンコ!オマンコ!オマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマン…………………」
太腿の裏辺りがムズムズとしてきた。私は力を入れてケツの穴を締める。同時に大量の精液が尿道口を強く押し拡げながら通過した。
「うッ……く……ああ……」
射精している間も菜緒さんのオマンコ連呼が続く
『オマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマンコオマン………❗❗…………』
「ッ……はぁー、はぁー、はぁー、ふぅ、ふぅ」
ビリビリと痺れるようだった一瞬の陶酔感が急激に冷めていく。
「課長……」
永島が恨めしそうな顔をしている。
「はぁ、はぁ、はぁ、よし、れ、連呼の最中に出せたぞ……はぁ、はぁ、」
「そのようですね。次のターンは私も…!」
「ああ……狙ってみたまえ」
チラと永島を見る。
「か、課長!」
永島か何かに驚いたように目を見張った。彼の視線の先に私も目を動かす。
私は一瞬、目の前の光景を理解出来なかった。
水川氏は、奥さんを道路上によつん這いにさせると、一瞬の迷いもなくアナルに挿入したのだ。
我々2人、夜の闇に立つ股間に再び活力が戻ったのを確信していた。