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3丁目の深夜
【若奥さん 官能小説】

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3丁目の深夜-7

私は永島を家に呼んで、酒を飲んでいた。

「課長、先日はありがとうございました」

「いや、構わないよ。また、呼ぶからね」

「ありがとうございます!」

「まあ、その時はいつもの…頼むよ」

「お任せ下さい。私がハコ長である限り、アレの邪魔はさせませんよ」

 永島は、ビールの泡でヒゲを作りながら笑った。

「そういえば、アレっていつからやってるんですか」

「話せば長くなるが……」



 そう、話せば長くなる。

 もともとアレは、この一角に住む男たちの「協定」だった。

 自分の妻や愛人・恋人と、この道路上でセックスをして、それを見せて他の男たちのオカズとして提供する。見る方は、何人もの違う女の裸やアソコを拝むことができる。やる方は衆人環視の中のセックスという興奮を得ることが出来る。

 つまりお互いの妻や恋人をズリネタとして共有しようというところから始まっているのだ。

 ネックは近くの交番だが、歴代のハコ長を酒、金、女、その時に応じて懐柔し続けて今に至る。

 だが、皆年老いてしまって、いつからかほとんど催されなくなっていった。

「昔は母さんも…」

「えっ、奥様も?」

「そりゃそうだ。協定だからな」

「へ、へえ〜…」

「川村さん、箕島さんだってそうだ。昔はマンションの役所の連中もやってたし」

「な、なるほど…」

「今、現役で頑張っているのは向かいの水川さんと、2件隣の千草さんだけだな」

「それだけですか…」

「千草さんのところの奥さんは……まあ、何というか肉感的な女性でね……」

「……………………」

「まあ、本人たちは喜んでやっとるようだが」

「はぁ…」



「一つ希望は」

「おお、なんでしょう」

「隣の金谷さんなんだが、○校生の息子がいる」

「そ、そそそれは」

「うむ…君は止めた方がいいかもしれないな。現役の警察官だし」

「…………禁断の果実ですね」

「駄目だぞ、絶対に駄目だ」

「………………」

「俺は見るがね」

「課長!」

「君はいつもの仕事をしてくれるだけでいい」

「だめですよ!そんな…」

「後生だ、頼む」

「はぁ…………………」

 永島は深くため息をついたあと、肩を落として去って行った。

 彼ならば、やってくれるはずだ。私の頼みは断らない男だ。







 電話のコール音がする。

 ディスプレイには「金谷」の文字。

「はい、桜井です」

「どうも、金谷です」

「はいどうも、ご用件は?」

「息子のデビュー戦です」

「ほう」

「対戦相手は下級生です」

「な、なんと」

 股間に血が集まる

「よろしくお願いします」

「分かりました。手配します」

 堪らえようと思っても、自然と頬が緩んでしまう。

「母さん」

「はい、なんでしょう」

「金谷さんの息子さん、今夜だ」

「そうですか」

 妻は相変わらずだ。

 私はいつものように短縮ダイヤルをコールした。


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