道場での対決-3
「おお、これは見物だの。どれ、今度はそれがしが乳首を揺らしてやろう。跳ぶのはやめて、その場に立つのじゃ」
(うそお!これもなの)
呆れ返ったお満の乳首を、荒利の木刀が襲った。
「いやあああん、ああああん」
侮っていたお満は、思わず中逝きして腰砕けになった。
(こ、こいつ、できる)
神速の木刀使いは、瓶之真の技と遜色は無かった。荒利の腕前と隙の無さに、逃れる術も考えられず、お満は絶望した。
そして、次には乳首を摘ままれたまま跳ばされた後、神速の木刀で割れ目を責められ、最後に犯されるのは目に見えていた。
「どうした?立て。小僧の肉棒を叩き折るぞ」
「あ、姉上、私はどうなっても構いませぬ。逃げてくだされ」
自分の目前で、お満が荒利に犯されるのを見るなら、死んだ方がましだった。
「だそうだ。で、どうするお満?」
「ううっ、無念…。うううっ」
立ち上がったお満だったが、仇に女体を犯される悔しさと絶望の余りに、顔を伏せて涙を流し始めた。
「ほほう。泣いておるのか。どれ、今度はその瓦け(パイパンの事)を木刀で責めて、悦びの涙を出させてやろう。足を開け」
「うっ…」
お満の身体がピクリと動いた。
「どうした。早くせぬか」
荒利は乳首を突ついて促せた。
「あううう、ううう、うふふふ、ふふふ」
喘ぐ声の調子が途中で変化した。
「ん?」
「うふふふふ、あはははは」
「な、なんだ。笑っておるのか」
顔を上げたお満は笑っていた。
「あははは、だって、もう、おまんこにいくんだもの」
それはさっきまでの絶望していた暗い顔とは別人のような明るさだった。
(うふふ、竿之介の方が一枚上手ね)
乳首を摘まんでぴょんぴょんさせる事に思い至らなかった荒利を、お満は下に見据えた。そう思えば、もう怖くはなかった。
「うふふ、あなたにいいモノを見せてあげる」
お満は足元に転がる木刀を掴むと、それに跨がり割れ目に食い込ませた。
「はあん…」
「ははは、今度は自分でいたすところを見て欲しいのか」
荒利の目尻が下がった。
「うふふ」
お満は妖しく微笑むと、掴んだ木刀に力を込めた。
「あふぅ」
その股間への軽い刺激で、愛液が涌き出てきた。更なる快感の予感が気持ちを引き締め、お満の表情が一転して真顔になった。
「秘剣露時雨秘裂返し…」
脳裏に降りた言葉が、静かに口から零れた。
「なんだ?」
「荒利取之助−っ!」
静から動。
「目の保養をしながら逝くがいいっ!」
お満は荒利に向かって叫ぶと、愛液で濡れた木刀を抜き打ちのように鞘走らせた。
「あううううっ」
止めどなく噴出する潮を絡ませながら、木刀が割れ目の中を擦り抜けていった。
全身に快感が駆け巡る。
「逝くううううう」
絶頂の声をあげるお満の脳内でも、その声が響いていた。
【逝ぐ逝ぐ逝ぐううううううううう】
そして、それは発動した。
完成された絶頂波はこれまでと違い、方向性を持って波及していった。その新たな絶頂波の威力は、扇状に集約された分、そこに居る者にとっては桁違いの強さになっていた。
「ぬおおおおおっ!」
どばばばばばっ、どびびびびびっ−!
その衝撃波をまともに受けた荒利は、吹っ飛びながら精を迸らせた。その勢いは、ふんどしを貫き破き、そそり勃つ肉棒が顔を出させるほどだった。
その影響は、気を失っている者にも及んだ。
横たわる餅右衛門は、射精の衝撃で腰が数寸動き、身体が鋭角な『くの字』を描いた。もちろん、その勢いある迸りは、ふんどしを突き破り、吹っ飛んだ荒利の顔に直撃していた。
全裸で大の字に寝ていた瓶之真は、天井板を撃ち抜く勢いで、精液の噴水を吹き上げていた。
扇状に拡散する衝撃の波は、距離に反比例して弱くなるとはいえ、外の往来にまで影響を及ぼした。
「うぅっ…」「はうう…」
お早世と同道を望んだお久音を乗せ、道場近くまで来ていた駕籠かき達は、突然襲ってきた射精感に、へなへなと腰砕けになった。さっき巻いたばかりのふんどしは、多すぎる迸りでぐっしょりと濡れていた。力の抜けた駕籠かき達は、ここで役目を終えるしかなかった。
「あうううう」「あああああん」
お早世とお久音も狭い駕籠の中で共に絶頂を迎えて、擦り合う陰部から潮を噴きあっていた。
そして、道場…
一気に抜き打たれた木刀がぴたりと止まり、絡んだ愛液が舞い散った。
残心を保ったままのお満。誰も動かず時が止まったような場内。
ただ、それが露時雨のように、倒れた荒利取之助に降り注いでいた。