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ドッペルゲンガーの恋人/過去からの彼女(官能オカルト連作短編)
【幼馴染 官能小説】

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暗黒司祭とカリーナの対決-5

6
 ノーパン夏服のカリナは、椅子に縛られた全裸男のところに行き、その萎れながらピクついて、まだまだ充血途上の股間に手を伸ばして語りかける。

「お前さ、これから私が気持ちよくしてやるから、観念しとけ。つーか感謝しろ。
 どれだけラッキーかわかってるか? わ・た・し、が、お前みたいな何処の誰かも知らない屑のために処女捨ててまでドーテー卒業させてやるんだ」

 ちょっとくすぐってやるとすぐ勃起しやがる。卑猥な銃身が担え筒になる。
 カリナは目論見どおりとはいえ、いささか鼻白む思いだった。

(何処の誰ともわからない女に触られて超簡単にボッキしてんじゃねーよ。バーカ)

 たとえ男どもの浅ましい生理はわかっていても、それでもいささか蔑みを覚えずにいられない。こんな軽い物理刺激だけでパンパンになるのは哀しい性で、カリナは見下し憐れむことで嫌悪感を押さえ込もうとする。
 これから胎内の恥ずかしい部分に受け入れなければいけないのは、それでも苦痛だった。
 それからカリナはじょるじゅの方を向いて「ゴム」と要求し、やっぱり「御座いません」と愚弄的な返事に舌打ちする。心理的にも衛生的にも、コンドームの有無はやっぱり違う。

(あとでピルでも飲むか? いっそレイプされたことにでもしとくか?)

 ペッと口に溜めた唾を吐きかけて、おっ勃ったペニスに手でなすりつける。
 そうしたら突然に白濁汁が飛び出した。しかも夏制服の紺色のスカートにかかる。
 カリナは青ざめて柳眉を逆立てた。不愉快極まりなかった。

「うわ、汚いっ!」

 ポケットからハンカチを取り出して、慌てて拭く。このハンカチは捨てるのが前提だ。
 怒った少女は、粗い布袋で覆われた若い男の横っ面を、小さな掌でペシペシ叩いて語気を荒げて凄んでみる。

「ふざけんなよ。今度やったら、殺すぞ? 出来損ないのションベン飛ばしやがって汚ねーんだよ、私だって好きでこんなことやってんじゃないんだよ、わかるか? まっぱで椅子に縛って座らされて恥ずかしくねーのか、チンポコ野郎。帰ったらテメーは自分でケツの穴に包丁でも突っ込んで死んじまえばいいのに!」

 日常生活ではたとえ心の中で思っても口にしないような、ずいぶん乱暴な台詞がすらすらと出てくるのは、それだけ彼女が頭にきているからなのだろう(やむをえないとはいえ女として理不尽なことをさせられているのだ)。しかも友人でも知人でもなく、素性不明の加害者で変態野郎なわけで、だから一切の遠慮もない。
 そんな憤怒の有様をじょるじゅは笑いながら見物している。


7
 カリナは頭にきたせいなのかどうかは知らないが、良い事を思いつく。ハンカチでスカートと汚らしい射精男根を拭ってから、車両の床にポイと投げ捨てた。
 そして鞄からコンビニの袋を取り出して、上からおっかぶせる。もともと愛情やこだわりどころか、肉体の快感目的でもないのだから、これで得体の知れない男の穢れた精液を防ぐコンドームの替わりになるだろう。

「ずいぶんな扱いですね」

「は? 文句あんの?」

「いえ、アイデア賞。ユニークで面白いので認めます」

 カリナは屈辱的ではあったけれど、じょるじゅに背を向けて見えないようにしながら、スカートの中に前から手を入れた(汚れていない方の手を使った)。ちょっとくらい濡らしておかないと流石に痛いだろうし、再度の勃起を促進するためでもある。
 こんなふうでもクリトリスを弄ればちょっとは良くもなるだろう。
 男からしても極大サービスだから、手で扱いて勃たせるより手間もかかるまい。
 とはいえどうせ男には見えないので、布袋被った耳元で吐息と言葉を注ぎ込んでやる。

「ハァ、ハァ、私だって好きでこんなトコでオナってるんじゃないんだぞ。テメーは汚らしい粗末なモン、さっさと勃たせろよ! ふ、うぅ」

 狂った状況のせいなのか、思いの他に感じてしまう。心情で敏感さは変わる。
 カリナは小ぶりなヒップを揺らしながらつぶらな秘豆を慰め続けた。

「くっ、うっ」

 声と呼吸を殺すのは屈辱的だからだ。だが蜜穴を濡らして先にイッておいた方が、挿入の苦痛が少なくて済みそうなのはわかり切っている。

「あ、ふっ」

 夏服少女の背筋とスカートからの両脚がピンと伸びる。
 これで少しは楽になるだろうし、腹を決めて楽しむ方針に決めたようだった。迷いがないわけでもないし気は進まなかったけれども、どうせなら、のしたたかさだ。


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