卒業-9
もはや何もかもが悪夢だ……。
がんじがらめの状態から逃れられる術は無く、無防備な股座はコイツらの嬲りものにされる屈辱を受け入れるしかない……。
「う…ぐ…ッ……な、なんなの?ほ…ホントに何なのよぉ!」
自分の車に乗り込んできた屈強なあの男に、麻友は頭髪を掴まれて眼前のカメラへと泣き顔を向けさせられた。
この無機質なレンズの向こうには、ここに居る男共と変わらぬ変態≠ェ、興奮に蕩けた顔を向けて凝視しているのだ。
一度しかない人生の、その破滅に向かう様を欲望の高まりと共に鑑賞し、そして…………。
「ひう…ッ!?」
麻友の目の前に、30センチほどの長さのゴムチューブと、自分の脹脛ほどもあるガラス製の巨大な浣腸器が差し出された。
一斉に麻縄が軋む。
手枷と両脚を固縛した縄と、尻を吊っている吊り縄がギシギシと軋んだ。
もう麻友の心には平静さは無くなり、こんな異常な行為だけは受け入れたりしないという健常なる精神の咆哮のままに、麻友は暴れ出していた。
『心配すんな。この浣腸シーンも切り取ってネットに流出させてやるから。それともDVDだけにして、一部のファンだけのお楽しみ≠ノした方がイイかあ?』
「イヤよおッ!!ど、どっちもイヤに決まって……あ"あ"あ"あ"ッッッ!!??」
器用な佐々木の手によって、ゴムチューブは麻友の肛門に挿し込まれた。
この異物を取り除こうと必死になって尻を振り乱す麻友だが、その〈尻尾〉はペチンペチンと自身の尻肉を叩くだけである。
『もう幾ら暴れたって無駄だぜ?このチューブよりもケツが振れるワケが無えんだ。大人しく諦めなよ……なあ?』
「ズズッ…あ…諦めるって何よ…?んく…ッ…黙って好き勝手されてろって言うの!?』
窮鼠猫を噛むの諺もあるが、いよいよ追い詰められた麻友は口答えをするようになっていた。
しかしながら、この程度の反抗しか出来ないのが情けない。
もっと口汚く罵り、アイドルの〈作られた上っ面〉が剥がれるかと思っていたのだが……。
『ああ、好き勝手にヤルさ。でもなあ、一応俺はまゆまゆファンだからさ、ネット流出の是非だけは選ばせてやろうかと思ってなあ』
「……ふざけないでッ……そんなのどっちもイヤ……ッ!!??……い"ぃ"い"あ"あ"ぁ"ぁ"あ"ッッッ!!!!」
既にノズルはゴムチューブに挿し込まれていた。
浣腸器を満たす生温い牛乳は麻友の肛門の中に侵入を開始し、そして初めて受けた異物の注入に恐れ戸惑う直腸を容赦なく犯していく。
「や"め"ッッッッ…!!!お…お腹…ッ…!?……壊れッッッ!!??」
『いろんな女で試してきてんだ。この程度じゃブッ壊れたりしねえって』
腹圧によってピストンが押し戻されるような反発を感じながら、伊藤はじわりと力を込めて圧し込んでいく。
浣腸による女体への注入という行為は、どこか長い時間の射精でもしているかのような高揚感がある。
無意識のうちに口角は上がり、ますます勃起は強くなる。
生意気な口答えから情けない泣き言に変わっていく麻友の態度からも、禍々しい征服欲は満たされていく。