決勝H女子200m背泳ぎ-1
1日目の400m個人メドレーで上位になった竹内里帆と清野恵美が予選1位、2位を占めたが、意地を見せようと腕撫しているのは背泳ぎを専門にしている予選3位の赤崎摩耶(23歳)。高校時代まではあまり芽が出なかったが大学に入ると頭角を現し、インカレでは4年連続で100m・200mの背泳ぎ2冠を獲得。大学になってから世界選手権、オリンピックなどの大舞台も経験するようになった。
摩耶は1日目の50mにも出場しているがこれはあくまでも水着に馴染むための試運転のようなものととらえていた。大学に入ってからハーフスーツを使っているが、今回のハイレグワンピースについては悪い印象を持ってはいない。小柄でもムチムチしすぎないCカップ小尻。薄いブルーのMサイズの水着を着ても乳首が浮き出ることもないし、ヒップが張り付いているようには見えない。食い込む感じもないし、水着とバストの間に水が入り込んで重みを感じることもない。これなら本命の100mと200mで勝負できると自信を深めている。
3レーンに摩耶、4レーンに里帆、5レーンに恵美が並ぶ。
摩耶が2年と4年の時にこの種目のインカレ決勝で3人は対戦しているがいずれも摩耶が勝っている。今回はどうか。
スタートして15mで真っ先に浮かび上がったのは里帆。200m個人メドレーの予選が終わって時間が経過しているとはいえ5レース目。それでも果敢に先行する。
最後の追い込みにかける恵美は4番手、摩耶は普段の戦略通りで周りの様子をうかがう気持ちで3番手につけた。
50mのターンでも里帆がリード。摩耶は2番手にあげたが恵美は4番手のまま。
100m過ぎると仕掛ける意図はないが里帆と摩耶の差が少し開いた。ハイレグで脚の動きが楽に感じている里帆は普段よりもピッチが上がっているのでリードが広がっているようだ。2番手でターンした摩耶はまだ慌てていない。150mのターンをした後に仕掛ければいいと考えている。最後の50mに懸けているのは恵美も同じ。Eカップのスプリント体型の持ち主としても追い込みに懸けようと考えている。
150mも里帆が先頭だが摩耶がじわりと差を詰めた。恵美も最後の浮き上がりで追い上げにかかる。里帆のピッチはまだ下がらない。しかし摩耶と恵美を突き放せない。残り15mで3人の差が詰まってきたが里帆が先頭。摩耶が追い込んでくる。恵美のピッチは上がってこない。最後のタッチまで勝負がもつれた。里帆と摩耶が同時にタッチしたように見えるが電光掲示板では摩耶が1着、里帆が2着と出た。
「やっぱり摩耶さんはスペシャリストだから最後は強いですね。なかなか勝てないですね。個人メドレーのためにも最後まで押し切れる体力をつけたいです」
最後の最後で2位に終わったが里帆は前を向いている。
「竹内さんは思った以上に泳げていたのでびっくりしました。でも、イメージ通りのレースができたので良かったです。100は50で日本記録出した深町さんがいますけど自信もってやれると思います」
優勝した摩耶は満足そうな表情を浮かべていた。スタート前には浮かび上がっていなかった乳首が硬直したか、レース後には浮かび上がっていた。