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ワンメイク!
【スポーツ 官能小説】

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戦い終わって-1

大会の全日程が終わり、選手達は水着だけを着た状態で検量スペースにある確認をするために集められた。今回の大会で使用した水着は国際連盟に公認された仕様で作られているので他の大会で着用することもできる。そこで、選手にこの水着を持ち帰るかどうかを確認しようというわけだ。
選手達は役員の指示に従ってまず水着を脱いだ。まだ青さが残る少女体型の中学生から大人らしいメリハリのあるボディラインを保ち続けるママさんスイマーまで、何十人もの全裸の女性が一つの場所に集まっている。そのあと、かごを持った役員が選手達の目の前をゆっくりと歩いて行く。持ち帰らないと判断した選手が脱いだ水着をそのかごに入れる。持ち帰る選手はそのまま役員を見送る。水着の内側のタグに番号がふられている。
大会前日の検量で主催者がタグの番号と選手の名前を記録しているため、持ち帰る選手と持ち帰らない選手は判別できるようになっている。主催者の集計では水着を持ち帰った選手は全体の半数弱になったという。
「タダで貰えるって聞いたので持ち帰りました。海でも使いたいですね。乳首とかですか? 私はあまり気にしてないですよ。日焼けも気にしていないし…」
自由形長距離で2種目を制した谷本真美は、通用口に集まった取材陣に嬉々として水着のことを語っている。オープンウォーターやフィンスイミングでもこの水着を使う気でいるようだ。
「綾ちゃんはどうなの?」
側にいた柴本綾に真美は水を向ける。
「初めは持ち帰るのをやめようとおもいましたけど、真美さんがかなり気に入っているのを見たので、使ってみてもいいかなと思って持ち帰りました。使うとすれば? うーん…、プールの方かな」
大会が進むうちに綾は心変わりしたようだ。こういう選手が多かったという。
「海は?」
真美がいたずらっぽく訊いてくる。
「真美さんと同じレースに出るなら海で着てもいいかな…と思います」
どちらが年上かわからなくなるような落ち着いた口調で綾は応えていた。綾のように、泳いでみてのフィーリングが良かったから、持ち帰って使い続けようと決断した選手は多くいた。
自由形短距離で2種目を制した川口ルリカ
「普段使っているものよりも脚の動きが楽でした。胸の方から水が入り込むような感じはおっぱいの押し込み方でどうにでもなるかなと思ったし。レースでも練習でも使ってみたいです。(柴田)真理子さんも持ち帰って使おうと思っているみたいですよ」
平泳ぎ2種目と200m個人メドレーで優勝した高橋ともえ
「やっぱり高校まで使っていたタイプだから、こっちの方(ハイレグワンピース)が使いやすいです。大学の大会に出る時には(大学の水着を使うために)使えない場合もあるかもしれないですけど、可能な限り使いたいです」
一方、中学生の古内ひかりは持ち帰らなかった。
「自分にはやっぱり大きいので使えないなと思いました。高校になったら大人用の水着を着ると思いますけど、今はまだ…」
自分の本来のサイズとは完全に合わなかったという選手はみんな持ち帰ることはなかった。

主催者の担当者は、
「水着を統一して選手の泳力を際立たせる効果はある程度出せたと思う。ただ、水着との相性で本来の力を発揮できなかった選手がいたのも事実なので改善の余地はある。選手や指導者には泳ぎを見つめ直すいい機会になったと思うので、今後のレベルアップに活用していって欲しい」
と一定の手応えを得た様子。今後、どのように全日本選抜が発展していくのか楽しみだという意見が業界の大半を占めているという。


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