W REVOLUTOR-1
1日、それぞれ充電の休日を過ごした…かどうかは本人にしか分からないが、とにかく休日を取り捜査から離れた若菜、マギー、華英は再びREVOLUTOR事件の捜査を始める。1日休んだ事でこれまでの捜査を冷静に振り返る事が出来た。
この日、若菜が東京からやって来た。朝10時、護衛を引き連れ威風堂々…と言うよりはまるでホストでも引き連れて歩いているように見えてしまう。出迎えすると嫌がるので、敢えて出迎えはしない。石山だけが玄関口で待っていた。
「石山さん、出迎えはいいって言ったじゃないですかー。」
「ハハハ、もし偽物だったら厄介だから監視しに来ただけさ。」
「こんな美しい偽物、この世には存在しないわ♪」
「ハハハ、そうだな。まぁご苦労様!」
「ありがとうございます。」
二人は信頼の仲を超えた間柄だ。吐息を聞いただけで石山には若菜が本物かどうか分かる。それは若菜も同じだった。
「どう?マギーも華英ちゃんもリフレッシュ出来た感じですか?」
「ああ、特に三島は大分落ち着いたな。」
「そう、よかった!」
そんな会話をしながらマギーと華英の待つ第二会議室に向かう。
「おはようございます。」
マギーと華英は声を揃えて言った。
「おはよー!昨日はゆっくり休めた??」
「はい。」
頷く二人。若菜は二人の顔を見て、マギーに視線を止める。
「ん?マギー、何か雰囲気変わった??」
「えっ…!?」
動揺するマギー。
「なーんだろう…。何か違うなー、いつもと。」
マギーの全身を舐めるように見る。
「な、何もないですよ…」
「ふーん…、まっいいや。」
そう言って着席する。
(この洞察力ってゆーか、鬱陶しいわね…。鋭すぎ!)
若菜の勘の良さには敬服する。しかし杉山と別れて広徳と付き合い始めましたとも言えず、取り敢えずやり過ごす事にした。
「さて、今日はね、REVOLUTORについてちょっと整理しようと思ってね。山口元治が自分がREVOLUTORだと言った事から、私達は彼がREVOLUTORなんだと言う事を元に動き出した。ようやく見えた尻尾だったから、その尻尾を離さぬようしっかりと掴まえるべく捜査を進めた訳だけど、1日休んでみたら、何か違和感があるのよねー。」
若菜がそう言うと、華英が言った。
「私も感じました。違和感。山口元治は接してみて感じましたが、クレバーなタイプ。REVOLUTOR像とちょっと違うかなって。」
先に発言され、やられた的な表情をマギーが見せた。