W REVOLUTOR-2
「だいたい全裸張り付けなんて言う下品な事を平気でやるような奴ら。元治はちゃらけてはいるけど見た所社員達からの信頼は厚いようですし、下品っぽく振る舞ってはいるけど実際はそうじゃないと思います。やはりどちらかと言えば後藤輝樹兄弟の方が…とくに輝樹の方がREVOLUTOR像に近いって言えば近いですよね。」
マギーがそう言うと、嫌な記憶を振り払い華英が続く。
「その輝樹を操ってたのが健司って訳ですね。」
「未だに行方が掴めてないしね。やましい事がなければ隠れる必要はないからね。」
「元治がREVOLUTORの事を知っていたとなると、新たに元治と後藤兄弟の関係も何かありそうですね。」
「また複雑になって来たわねぇ。元治も健司も行方が分からないし。彼らには一体どんな因縁があるんでしょ。」
3人考え込んだその時、華英がふと顔を上げた。
「不動産…」
ボソッと言った華英。
「不動産??」
マギーと若菜の視線が華英に向く。
「元治は山口不動産。後藤輝樹は、住んでる所が昔父親が小さな不動産をやってた時のビルだって言ってた。そして…渡辺さんが命を狙われたのは西進不動産。これって偶然でしょうか??」
いいトコに目をつけたなと若菜は思った。
「調べてみる価値はあるわね。よし、じゃあその3つの不動産を徹底的に洗ってみようか。」
「はい。」
若菜は後藤不動産、マギーは西進不動産、華英は山口不動産を、それぞれ刑事とパートナーを組み調べる事にした。華英に西進と後藤不動産を調べさせるのは酷だと思った若菜の割り振りであった。3人はそれぞれのパートナーと捜査に出るのであった。
まず西進不動産。黒い噂が付き纏う不動産屋だ。所持物件をAVの撮影場所に貸し出したり、無許可風俗を摘発した際、使用されていた部屋の多くが西進不動産所持の物件だった。そう言ったブラックな客を多く受け入れている可能性は高い。これでビッツコインが絡んでいたらなお怪しい。マギーは特命捜査対策室時代には何度か訪れた事がある西進不動産に再び出向く事になった。
それに加え、華英が恩師と慕った渡辺が殺害された場所でもある。マギーは華英の為に何か力になりたかった。早く苦しみから脱げ出させてやりたい、そんな気持ちで西進不動産の捜査に出向くのであった。