想[9]-3
「主里のこと、嫌いになる訳ないじゃん!辛かったでしょ?誰にも打ち明けられなくて苦しかったでしょ?アタシは話聞くくらいしか出来なくて、主里の悲しみ全部は分かってあげらんないけど、少しでも力になりたいって思ってるよ!いっつも思ってるんだよ。アタシは主里が大スキだから、幸せになって欲しいって思ってるんだよ…」
未宇の涙は後から後から、留まることを知らぬ泉のように溢れていった。
未宇は私を想ってくれてた。ずっと傍にいてくれてたのに、ごめんね未宇…未宇。
「未宇、ありがとう…」
未宇の顔が滲んだかと思うと、頬を温かい物が流れていった。
「主里のバカ。涙で手ぇ濡れるじゃん!」
「だって…っ…だって…っく…」
「もぉー、バカァァーっっ」
パシパシと私の頬を叩く未宇は笑いながら泣いていた。
私も、嬉しくて嬉しくて、笑っているのに涙が止まらなかった。