家族旅行での出来事 同窓会タイム 5-1
綾乃に従って和室へと消えていく匠の後姿を見つめながら、香澄はしみじみと言った。
「匠君。すっかり高校時代に戻ったままよ。
あの状態で綾乃の素晴らしさを体験したら、
今までのわだかまりも何もなくなって、
綾乃のことをセックスの対象、欲望の源として、
ずっと感じ続けることができるような気がするの。
きっとここの温泉のおかげだわ。」
史恵の目にも、やはり匠は、高校時代に戻っているように映ったようで、
史恵はしきりに首をかしげている。
「うちの温泉にそんな効果があったのかしら……。」
「でも、間違いなく、匠君の思考も行動や態度も、
それにあそこの反応も、高校時代に戻っていたわ。
思い込みだけじゃあ、あそこまで劇的に変わらないんじゃないかしら。」
「それが本当だとしたら、うちの温泉の新たな魅力というか……
新しい経営の仕方にもつながるんだけど……。」
「ねえ、それより史恵、あなた今、欲求不満じゃない?」
「えっ?どうして?」
「だって、わたしと匠君のセックス、見るだけだったし、
綾乃とも中途半端だったんじゃないの?」
「香澄こそ、高校時代に戻った匠君を食べ損ねて、
ストレスたまってるんじゃないの?」
史恵の顔を舐めるように見つめながら言う香澄に、
史恵は同じような視線を投げかけながら言った。
「お互いにね。」
「じゃあ……。」
「いいわよ、そのままで。せっかく制服、着てるんだから。
このまま廊下で、高校時代に戻ったつもりで、わたしが史恵を可愛がってあげるわ。」
「え〜?香澄が?香澄が自分からそんなこと言うなんて……。
香澄だっていきたいんじゃないの?」
史恵は香澄の股間に視線を送りながら、自分の唇を舐めた。
「そうね。すぐにでもいきたい気持ちがあるのは確かなの。
でも、史恵のことを可愛がってあげたいっていうか……。」
「虐めたいんじゃないの?」
「ああ、そうかもしれないわ。ううん。確かにそうよ。
今の欲求不満のすべてを史恵にぶつけたいんだわ。」
「それほど欲求不満っていうことなのね?」
「そうね。正直、気が狂いそうよ。
加寿美先生になりきって、匠君の童貞をもらっちゃう直前までいってたんですもの。」
「加寿美先生になりきってたわけ?」
「流れの中で自然にね。
わたし自身も、結構その気になっちゃったわ。
匠君を誘導しようとしているうちに、
自分でも香澄なんだか、加寿美先生なんだかわからなくなって……。
年上の女性が年下の男の子を弄んでいるような……。
ううん。それだけじゃない。
教育実習生とはいっても、高校生の匠君からしたら先生でしょ?
教え子と先生の禁断の恋、そんな感覚も生まれてきたのも確かよ。」
「それも温泉の効果?
それとも、この旅館がわたしたちの高校の校舎に似ていたってことからの思い込み?」
「さあ。わたしにも原因はわからないけれど、いつの間にかその気に……。
本気になったことは確かね。」
そう言いながらも香澄は制服の上から史恵の身体をやさしく撫で始めた。
「その中で、特に匠は完全に高校生になりきったっていうことね。」
「そう。高校生になりきった匠君に合わせるために、
わたしも加寿美先生になりきったっていうことよ。
でも、加寿美先生になりきったことで、
今まで知らなかったことがずいぶん分かったわ。史恵の秘密もね。」
史恵はわざとらしいほどに驚いた顔をして改めて香澄を見た。
「わたしの秘密?そりゃあ香澄と会わなくなってから、
もう〇十年も経つんだから。秘密だってあるだろうけど……。」
「そうじゃないわ。高校時代のことよ。
史恵の秘密っていうよりは、わたしに秘密にしてあったこと。」
「高校時代の、香澄に対する秘密?……。そういうことね。
教育実習生の加寿美先生になら、匠、何でも話しちゃったんでしょうからね。」
「ええ。いろいろと教えてくれたわ。でも、正直、そんなには驚かなかったわよ。」
「知ってたってこと?」
「ううん。知らないことの方が多かったわ。
でも、当時、不思議に思っていたことや疑問に思っていたことの、
いくつかが解けたの。
だからかえってすっきりした気分よ。」
そう言いながら香澄は史恵のスカートの中に手を入れた。
「やっぱり。思った通り、ノーパンだわ。
それにもうヌルヌル。ここに来るまで綾乃と楽しんでいたんでしょ?」
「そりゃそうよ。匠と香澄の、あんなに激しいのを見せつけられたんだもの。」
「あ、やっぱり見ていたんだ。」
「そう。階段でしているところをずっと見ていたわ。
香澄もすっかり淫乱熟女になったのねって、綾乃と話していたの。
二人のいやらしいセックス見ながら、
綾乃と二人で、双頭バイブ使って、本格的にレズろうかっていう話になって。
トイレに置いてある双頭バイブを取りに行って戻ってきて……。
反対側に回って驚かそうと思ったら、その間に姿が見えなくなっちゃって。
で、ある物証をもとに、このトイレにたどり着いたってわけ。」
「ある物証?なあに、それ。」
「香澄の愛液よ。」
「わたしの、愛液?」
香澄は思わず自分の股間に手をやった。
「ええ。階段からこのトイレまで、ポツポツと床に垂れた跡が続いてたの。
それをたどってここまで来たっていうわけ。
あん。いきなり指、突っ込まないでよ。びっくりするじゃない。」
「わたしを辱めるからよ。床に愛液が垂れてたなんて……。」
「本当よ。綾乃と二人で、それこそ床に這いつくばりながらここまで来たんだから。
香澄、うちに来てからまだ2日目よ。
それなのに、香澄の愛液で、何回廊下を汚したら気が済むわけ?」
史恵は敢えて香澄を辱めるように言った。