家族旅行での出来事 同窓会タイム 4-5
「えっ?香澄たち、どこ行っちゃったんだろ。」
「うそ、場所を変えたってこと?」
「綾乃がのんびりオナりながら歩いているからよ。」
「史恵だって、歩いている途中で、2回くらいいってたでしょ?」
「あれは綾乃がいったのを見て、だったらわたしもいいかなって思ったのよ。」
「まったくもう……。それより、早く探さなくちゃ。」
二人は股間からバイブを抜くと、廊下の花台の横に置いて香澄たちを探し始めた。
「やっぱり、階段の途中で立ったままじゃ、体力的に無理だったんじゃないかしら。」
「高校時代は野外で立ちバックばっかりやってた二人なのにね。」
「そりゃあ、あの頃とは違うわよ。
史恵だって、最近はなかなか立ちバックはできないでしょ?」
「そう言う綾乃はどうなのよ。」
「だから……わたしはそもそもセックスがないんだもの。
立ちバックどころか、触ってももらえないくらいよ……。」
「あ、ごめん。余計なこと、言っちゃったわ。」
「気にしないで。史恵のそういうお馬鹿で無神経なところ、
高校時代と全く変わってなくって、好きよ。」
「綾乃のその口の悪さもあの頃のままで安心したわ。」
「…………だとすると、階段を下りたってことよね。
そして横になれるところか……もしくは座れる場所を探した……。」
「どこかの部屋に入ったのかしら。」
「使っていない客室にはカギはかかっているわ。
それに、高校の校舎っていう設定だもの。
旅館のイメージしかないような客室に入ることはないんじゃない?」
「でも、セックスに夢中になっていて、そんな設定にこだわり続けるかしら。」
綾乃と史恵は話しながら、さっきまで二人が抱き合っていた場所に立った。
「多分、このあたりに手をついて、バックからしていたんじゃない?」
「ここだったらそんな感じよね。」
「やだ。床が濡れてるわ。」
「えっ?あ、本当だ。」
史恵はしゃがんで手を伸ばし、その液体を指で触った。
ヌルっとした感触。史恵は自分の鼻先にその指を近づけた。
「………香澄のもので間違いないんじゃない?」
「ねえ、見て。ほら。」
綾乃が指さす方を見ると、そこにもわずかながら床に濡れた場所があった。
「やっぱりどこかに移動したんだわ。」
「それをたどっていけば、香澄たちがいる場所にたどり着くんじゃない?」
「床に垂れた愛液の後を追って、なんて、まるで探偵みたいね。」
「確かに。
最近見た、名探偵オナンの映画でも、
栄養ドリンクだったか精力剤だったか、
なんかのドリンクの蛍光色を頼りに人を探すみたいなシーンがあったわ。」
そうは言っても、太ももを伝って床に垂れる愛液の量が、それほど多いわけではない。
二人は床に這いつくばるようにして、香澄の痕跡を追った。
「ねえ、ここじゃない?」
二人が立ったのは、さっき、双頭バイブを取りに入ったのとは違うトイレの前だった。
「確かにね。ここなら人目を避けて、もっと激しいこともできるし……。」
「学校の校舎内っていう設定からも、無理はないわね。」
「まあ、実際にうちの旅館のトイレは、
とても学校のものとは思えないような構造になっているんだけどね。」
「でも、これって史恵のアイデアなんでしょ?
トイレの中でも楽しめるように特注したって。
前に来た時、哲郎さんが言ってたわ。」
「あら、綾乃。うちの人とトイレでもしたの?」
「違うわよ。トイレに入ってるときに襲われたの。」
「やだ。人聞きの悪いこと、言わないで。
うちの人が史恵を襲ったりするはず、ないじゃない。」
「もちろん、そういうプレイよ。レイプごっこ。」
「まったく。綾乃も、油断できないわね。」
「でも、隠れている時はトイレ、っていう感じだったけど、
いざ、始まると、結構ゆったり作ってあるし、腰かけたり寝そべったりもできるし。
何ひとつ不自由はなかったわよ。」
「まあね。トイレでした経験って、誰もが一度くらいはあるじゃない?
あの窮屈さがいいっていう人もいるだろうけど、
限られた体位でしかできないし、
脱いだ服やものを置く場所がなくて困った経験をしてると思ったのよ。」
「確かにね。始めるときは夢中だから気にならないけれど、
いざ、終わったら下着が泥だらけ、とかね。」
「でしょ?だから、荷物を置く場所は絶対に必要なの。」
「それでサイズアップして、備品も揃えたわけね。」
「ええ。でもそれだけじゃないの。
複数プレイもできるかなって考えたわ。」
「トイレで複数プレイってなったら、どこか犯罪の匂いがするわよね。」
「ええ。周りから見られない場所っていう点では、
確かにレイプされるのにはピッタリでしょ?」
「犯罪の温床?痴漢とか……覗きとか……。」
「そうなのよ。なんか、そういった、道徳から外れてる感がいいかなと思ったの。」
「セックスができるトイレはいくらでもあるだろうけど、
複数プレイも可能なように作られたトイレなんて、
世の中にどれほどあるかしら。」
「そうよね。でも現実に、レイプごっこをするお客様もいるくらいだもの。
わざわざ作った意味があったってことだわ。」
史恵は綾乃の顔をまじまじと見つめながら言った。
「ね、ねえ。そういう……役に立つ発想って……。
やっぱり、史恵の実体験がもとになってるの?」
「もちろんプラスの実体験ばかりじゃなくって、
むしろマイナスの実体験の方が役に立ってるかもしれないわ。」
「マイナスの実体験?」