母娘崩壊-3
『さあて、と……今から愛ちゃんにおチンチンを気持ち良くさせる方法を教えてあげるね?さっきママがやってたでしょ?アレだよ』
「んひッ…!?…い"ぃ"ッ!」
佐藤はさっき床から拾い上げておいた黄緑色の玩具を愛の顔に向けた。
それは由芽の股座の前後を問わずに責めた、偽物の男根……いわゆるバイブである。
しかし偽物と言っても姿形は本物そっくりであり、しかも由芽の臭いが染みついた其れはますます本物に近づいている。
愛の泣き顔はその異臭と悍ましい形に怯えて歪み、ともすれば笑みを浮かべているようでもあった。
『いいかい?両手でしっかり握って先っちょにキスをするんだ。そしたらこの…サオの根元までキスして……まあイイや。とりあえずやってみなよ』
(なッ!?なにを愛に教えて…ッッッ!?)
知らなくて良い事を吹き込み、それを実行に移そうとされている。
それは娘の愛をアイツらの《性玩具》にするという意味以外になく、それは先程の……いや、雪絵のこれまでの人生と同じ道を辿らせるに等しかった。
『いいか、俺のカメラを見ながらやるんだぞ?俯いたりしたら顔が撮れねえからなあ』
『よく聞け。〈常にカメラに撮られてる〉って意識してやれよ?この動画はロリコン野郎のオナニーに使われるんだからなあ』
『その辺はバッチリだよ。だってママのフェラ動画を観たばっかりなんだから。ちゃんと出来るよね、愛ちゃん?』
カメラマンにまで威圧的な注文をつけられた愛は、ますます表情が奇しくなっていった。
母親になら強気な言葉を使っていた愛だが、さすがにこの状況下ではそれはあり得ない。
ブルブルと震える手から枷が外され、両手は自由となった。
だが、その返された自由は、男共の命令に従う為に与えられたものなのは瞬時に理解していた。
「ふはッ…ぎッ…うぅッ!」
言われた通りにバイブの根元を両手で握る……だが、そこから先には中々進めない……いくら派手な色をした玩具と言えど、その形は紛れもなく男根であり、しかも獣の体臭のような異臭まで放っているのだ……。
『勃起したチンポの先っぽが下向くかよ、バカ。テメェには想像力ってモンが無えのかあ?』
『亀頭を上に上げてキスすんだよぉ。ほら顔下げんな。カメラから目線を外すな。俺のカメラを見ろっつってんだよぉ』
「んぐぐッ!はひッ…ひッひう!あ…うぅッ」
『怖いねぇ?カメラマンのおじさんって怖いよねぇ?じゃあちゃんと≠オなきゃ駄目だよねえ。解ってるでしょ、ねえ?』
7対1の圧倒的な無勢に置かれた愛は、一気に追い詰められた。
佐藤も高橋も佐々木も、愉快で面白くて堪らなくなっていた。
時折りチラリと送ってくる視線は、助けて欲しいという哀願に満ちている。
そこに見えるのは先程のより強さを増した《恥辱》への恐れであり、もしもあの電車の中で出会わなければ知るはずも無かった苦しみであった。
(ほ、ほら…早くキスしなよ……その可愛い唇を尖らせてさあ)
佐藤は眼前の愛をじっと見つめる。
たかが玩具への口付けに心の底から困惑し、必死に縋ってくる様はいじらしくて抱き締めてやりたくなる。
そんな愛が遂に動いた。
唇を不恰好なアヒル口にしてバイブに近づけ、瞼を閉じて涙を絞り出しながら其れに触れた。