家族旅行での出来事 同窓会タイム 2-7
「ね、ねえ、史恵と初めての時のこと、もう少し聞かせて。」
香澄は匠が腰を動かし始めると、再び高校時代に戻ったように匠に語り掛けた。
「史恵との初めての時?
ああ、あの時は綾乃もいたからね。」
「あ、綾乃も……いたんだ……。
愛撫の仕方とか教えてもらいながらってこと?」
「教えてもらいながらっていうわけじゃないんだけどね。
まあ、3人で楽しみながらだったし……。」
「そうなんだ。3人で楽しんだんだ……。」
「でも、綾乃のおかげで、史恵をいかせることも出来たしね。
いい経験になったと思うよ。」
「えっ?史恵をいかせちゃったの?」
「綾乃がずっと史恵を愛撫した後だったからね。
史恵の方ももういく直前だったんだよ。」
「そ、そっか。史恵、綾乃に愛撫されてたんだ。」
「でもその後、何度か繰り返すうちに、
自分の力だけで史恵をいかすこともできるようになったしね」
「じゃあ、わたしとの時は、けっこう自信あったんだ。」
香澄は自分の声が震えているのがわかった。
(やっぱり匠君、わたしとが初めてじゃなかったんだ。
初めての相手は綾乃だったんだ……。
しかも、その後に、史恵とも。3Pまで体験済みだったんだ。)
香澄の表情が一瞬、暗くなったことに匠が気付いた。
「あれ?ボク、なんかおかしなこと言った?」
「ううん。そんなこと、ないわ。」
「香澄との時は確かに結構自信はあったけどね。
ただ、綾乃に言われてたんだ。
感じる場所も、形や位置も、結構、個人差があるからって。
だからいろいろと試してみて、
香澄が一番感じる場所や方法を見つけるのよって。
でも、綾乃と史恵のおかげで、香澄とは、うまくできたかなって思ってさ。」
(その場を盛り上げるための、多少の脚色はあり……。
その場を盛り上げるための、多少の脚色はあり……。
その場を盛り上げるための……。
盛り上げるための?脚色?
ううん。全部本当でも構わないわ。)
香澄は気持ちが落ち着き始めると、
ほんの少しだけ心の奥に生じていた、
怒りのような感情がいつの間にか消えていったことに気づいた。
そしてそれとは反対に、妙な興奮状態が訪れ始めていた。
(そうだわ。この刺激がたまらない。
秘密が暴露されていく快感。同級生の知られざる姿を知る快感。
ああ、だんだん興奮してきた。
史恵と匠君との初めてのセックス。
わたしに隠れて綾乃とも史恵ともセックスしていたという事実。
もしかしたら、綾乃や史恵と、学校の教室や階段でも、
セックスしていたんじゃないかしら。
ああ、もっといろいろと聞き出したい。
匠君。事実なら事実を隠さずに……。
ううん。わたしがもっと感じるように、
脚色してくれても構わないわ。もっと、もっと、教えて。)
「匠君。もっと……。もっとよ……。」
「あ、うん。じゃあ、もっと動かすよ。」
匠は腰使いを求められたのと思い込み、腰の動きを速め、下から突き上げ始めた。
「ああ、い、いいわ。
ね、ねえ。わたし、初めてなのに、あの時、いっちゃったの、覚えてる?」
「えっ?あ、そ、そうだったね。」
「うん。わたし、初めてだったのに、そんなに痛みも感じなかったし……。
初体験で絶頂までいけちゃったんだもん。
きっと、匠君が上手だったからだわ。」
「そう、だったかな。じゃあ、ある意味、綾乃と史恵に感謝だね。」
「え?ええ。そうよ。綾乃と史恵のおかげでもあるんだわ。」
(そうよ。わたしの全ての始まりは、綾乃と史恵だったんだわ。
自分でもわかっていたことじゃない。
自分でずっと思っていた通りだっただけじゃないの。
そうよ、自分で、ケジメをつけると決めたんだもん。
そうよ、過去にこだわっていても何も生まれないわ。
刺激的な真実を聞かされて、わたしは興奮しているだけ。
そうよ、もっと、もっと、興奮して、匠君を貪りたい。)
香澄は心の動揺を気づかれないよう、大きく息をつき、心を決めた。
「ねえ、でも、こんなところでするのって、スリルあるわよね。」
香澄は片足を1段高い段に動かし、よりお尻の突き出しを大きくしながら言った。
「うん。してる最中に誰かが通らないとも限らないからね。」
「でも……。今日は……。日曜なんだよね?
今日……は……。大丈夫でしょ?」
「いや、日曜でも、うちの担任、結構学校に来て仕事してたからね。
見つかりそうになって、慌てたこともあったいけどね。」
「見つかりそうになって?」
「階段でしてる時の話でしょ?
綾乃とだったかなあ。あれ?史恵との時だったっけ?
階段じゃなかったかなあ。廊下だったかなあ。」
「廊下?」
「ああ。ほら、図書室から部室の方へ行く廊下って、
あんまり人が通らなかっただろ?
特に放課後は、人の気配がほとんど無くってさ。」
「あ、そ、そうだったんだ。で、でも、見つかりはしなかったんでしょ?」
「もちろんだよ。見つかってたら、当然退学だっただろうからね。」
「そ、そうだよね。不純異性交遊だものね。」
「それだけじゃなくって、住居侵入罪もだよ。」
「あ、そっか。退学だけじゃすまなくなるんだ。」
(やっぱり。綾乃か史恵とは、学校でもしてたんだ。
でも、だったらなんでわたしとの時は学校を使わなかったんだろう。
あんなに場所で苦労したのに……。)