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ひととき略奪
【その他 官能小説】

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教師 小林千佳-2

「……250万…です。」

「250万…!」

その一言に俺は思わず大きな声をあげる………


詳しく話を聞くと、月に8万円受け取れる奨学金を4年間借りたため、卒業時には8×12×4=384万円の額まで膨らんでいたらしい。
もちろん、就職してからはしっかり返済しているものの、まだまだ完済までの道のりは長いと言ったところだ。
それにしても、若い学生に何百万円もの借金を背負わせるとは、奨学金恐るべし…

「貸して…もらえませんか?」
千佳はおずおずと尋ねる。

最初から250万円とは高額だな…直人は思う。
ただ…ここでケチって目の前の上玉を逃すのは惜しい。
また、千佳からのメッセージが届いて以来、俺のSNSには何の通知も来ないため、次に使う当てもない。
それに、千佳は小学校教師だし、時間はかかるかもしれないが、お金はいずれ返ってくるだろう…

「分かった、貸そう。」

「ありがとうございます!」

緊張がほぐれたのか、千佳の顔から少し笑みがこぼれる。

笑うと美しさが引き立つ…
こんな笑みを浮かべているこの女は、これからの自分にどんな恥辱を受けるか気づいていないのだろうか…

そんなことを思いつつ、俺はニヤニヤしながら立ち上がり、千佳の背後にまわるとオトナの厳しさを教えてやる。


「ただ…はじめて会った男女がお金の貸し借りをするんだから、先にしっかり信頼関係を築かないとねえ」


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