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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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家族旅行での出来事 3組の夫婦交換 1-3

「香澄……。」
夫の声が後ろから聞こえる。
「ほら、あなたも早く。」
「ああ。今行くけど、香澄、その格好で玄関まで行くつもりかい?」

香澄は夫に言われてはっとして立ち止まった。
確かに部屋を出るとき、浴衣を夫に脱がされ、
そのまま廊下、階段を全裸で歩き、この屋上まで上がってきたのだ。
身体を隠すためのものはないかと辺りを見回しても、
身体を拭くためのバスタオルしかここにはなかった。

(確かに……。この格好で玄関まで行けるわけ、ないわ。
 それに、廊下や階段で、今来たお客さんに会うことだって考えられる。
 それがたとえ匠君だったとしても、いきなり全裸でのお出迎えなんて……。)

「あなた……。どうしましょ……。」
「だから、慌てるなって言ってるんだよ。」
「そもそもあなたが浴衣を脱がして、このまま行こうなんて言うから……。」

香澄が途方に暮れていると、屋上入り口のインターフォンが鳴った。
「もしもし……。」
香澄は恐る恐る受話器を取った。

「香澄。やっぱり屋上だったわね。
 さっき、チラッとあなたの喘ぎ声が聞こえたから……。
 いらしたわよ。お客様。」
「あ、ね、ねえ。史恵。」
「どうしたの?何か困ったことでも起きた?」
「下りていきたいの。行きたいけど、着るものがないのよ。」
「着るもの?さっき、新しい浴衣を置いておいたはずだけれど……。」
「置いてきちゃったの。脱いで、そのまま来ちゃったのよ。」

「香澄。じゃあ、あなた、旅館中を裸で歩き回っていたってこと?」
「えっ?え、ええ。」
「じゃあ、さっき、床が濡れてましたっていう報告、もらったんだけれど、
 それもあなたたち?」
「えっ?」
「大広間から出た階段のところに、なにかが垂れていたって、
 うちの従業員が言うのよ。
 変な匂いのする、ネバついたものが垂れていたって。」
「…………。史恵。ごめんなさい。」

「…………嘘よ、ウソ。
 大広間の片づけをしていたら、
 脱ぎ捨てた浴衣があったっていうのは本当だけれどね。
 それで、ああ、裸のまま、お風呂に行ったんだってわかったの。」
「でも、屋上に飲み物が用意してあったのは?」
「ああ。あれね。あれはちょっとしたいたずら。
 男湯にも女湯にも、同じものを用意して、同じような貼り紙を貼っておいたの。
 哲郎のアイデアよ。」
「哲郎さんの?」

「ええ。ついでにどこのお風呂に行くかの予想もしたけどね。」
「史恵。それって、お客様に対して失礼じゃない?」

「あ、香澄。怒ったの?そうね。お客様に対してなら失礼よね。
 でも香澄はお客様じゃないもの。」
「客じゃないって、どういうこと?」
「香澄はわたしの友達よ。
 言ってみれば昨日も今日も、同窓会。」
「同窓会?」

「そ。さっきいらしたお客様も、車を降りるなり、そうおっしゃってたわ。」
「同窓会……。」
「いいわ。そこにいて。
 もう少し、のんびり浸かっていて。」
「着るものを持ってきてくれるの?」
「ううん。とにかく、そこで待っていて。
 全裸の男女に旅館内を歩き回られたくないわ。
 それに、どうやら歩き回るだけじゃなくて、
 スリルを求めてそこここでセックスしているみたいなの。
 その全裸の男女……。」
「やっぱり垂れていたのね?」
「だって、そんなものが床に垂れたままじゃ、
 下品な旅館と思われちゃうでしょ、今いらしたお客様に。」
「史恵?史恵ったら……。」

インターフォンは切られた。
「どうするって?」
のんびりした声で雅和が言った。
「のんびりお湯に浸かってて、ですって。」
「そうか。じゃあ、まあのんびりするか。」
「ちょっとあなた……。」
「裸で歩き回るわけにはいかないだろ?」 

香澄は仕方なく、史恵に言われたように湯船の方へ戻った。
「いいじゃないか。今度は本当に、ちゃんと浸かることにしよう。
 さっきは本当に激しすぎたからね。」
夫が辺りを見回しながら言うのを聞いて、香澄も周りを見回してみた。
浴槽の周りや壁がびしょ濡れなのも、カランやいすが散らばっているのも、
きっと自分たちが暴れまくったせいなのだろう。

「また、史恵たちの仕事、増やしちゃったわね。」
「ああ。まあ、仕方ないさ。さっきの君は普通じゃなかったからね。」
「普通じゃなかった?どういうこと?」
「さっき、君は4人の男性を相手にしていただろ?」
「4人?どういうこと?」
「君はボクに抱かれながら、
 哲郎さんのペニス、征爾さんのペニス、
 そして匠君のペニスを思い出していた。
 いや、思い出していたと言うよりも、思い描いていたと言った方が正解かな。」
「あなたに抱かれながら……哲郎さん、征爾さん、匠…君……。」
「そう。1対1のセックスのつもりが、君の中では1対4になっていた。
 ボクも、その3人に負けまいとして頑張ったからね。
 激しくもなるはずさ。」

香澄は改めて夫の、どこか楽観的というか、無頓着なところに救われた気がした。
と言うよりも、夫も、とことんセックスが好きなのだろうと改めて思った。
楽観的と言っても、香澄の言動の全てをいい方にとらえるというのではなく、
より刺激が強い方にとらえていく。
受け入れ難い状況であっても、その状況を自分の性癖や欲望とつなげ、
興奮度を高めていくのだ。

鼻歌交じりで散らかったカランやいすを片付けている夫を見て、
香澄は、やはり雅和は自分の夫にふさわしいのかもしれないと思った。

(でも、史恵はどうするつもりなんだろう。
 手が空いたら着るものを持っていくから、
 それまで待っていろと言うことなのかしら……。)


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