車の中で-6
「あああん」
「ん?なんだ?」
車を降りた男が、優希たちの喘ぎ声に気づいた。その卑猥な声が、隣の車から聴こえてくることがわかった男は、灯りが洩れるカーテンの隙間から中を覗き込んだ。
「おい、見てみろ。この中で女がオナニーしてるぞ」
「マジ?」
男もそうだが、女もスキモノだった。ニヤニヤと目を輝かせながら車体に近づくと、男と上下に頭が並ぶように、中を覗き込んだ。
「うっわ、エロ〜」
『ああん、イクウウウ』
見られてるとは知らず、絶頂を迎えた優希が女体を震わせた。
「おっ、女の子の方、イッたみたいだぞ」
男はニヤニヤしながら、女の胸を揉み始めた。
「やだ…こんなところで…」
そう言いながらも、女は抵抗はしなかった。それよりも、更なる刺激を期待して、足を少し開いて後ろに尻を突き出した。
男は、女の期待に応えるように、スカートを捲り、下着の中に手を差し入れた。
「あんっ…」
ぬるんだ割れ目の中に、男の指を感じた女は、軽く目を閉じた。
見られることに敏感な優花は、さっきからその視線を感じていた。
(うふふ、覗きは歓迎だけどね。でも…)
優花は、自分たちから興味が削がれるように、女体を捩らせて、男の視線から優希と自身の割れ目を隠した。
(ちっ!見えなくなった)
男は、優花の思惑のとおりに動いた。見えない優花よりも、自分が弄る女体に視線を移した。その瞬間を優花は待っていた。優花はドアのハンドルに飛び付くと、スライドドアを一気に引き開けた。こんな風に、急激な出入りも想定していたスライドドアは、注文段階から手動を選択していた。
「えっ?きゃっ!」
優花は、驚いた女の手を取り、その上半身を一気に車内に引っ張り込んだ。
「えっ?えっ?」
思いもよらなかった一瞬の出来事に、男も咄嗟の対処ができなかった。そんな男に優花がにっこりと微笑んだ。
「そんなところでしたら、人目につくよ。よかったらここを使って」
「へっ?」
驚く男を尻目に、優花は女に取りかかった。
「あなたも、こんなに濡らしてたら我慢できないでしょ」
優花は下着の上から女の割れ目を擦った。
「ああん、ダメええ」
車外でも男の求めに応じたほどだ。この女が複数や、女同士に対しても許容できることを、優花は一瞬で見抜いていた。
「ああん」
案の定、女は身を捩りながら、優花に身を寄せてきた。
「うふふ、彼女はこの車が気にいったみたいよ。よかったら、あたしもお相手できるけど、乗りますか?」
呆気に取られた男に向けて、優花は改めて足を開いた。男が視線を下げると、そこにはバイブレーターが刺さっていた。
コクコクと頷いた男は、クネクネと蠢くバイブレーターの動きに誘導されるように、車内に入っていった。