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しにがみハート
【コメディ 恋愛小説】

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しにがみハート#2-2

「買って下さい!!」
「無理だっつの!!」

『うるせぇぇぇぇぇ!!!!』

「「……え?」」

店員さんキレたーー!!

『二人ともごちゃごちゃ言ってないで早く買わんかい!!お客詰まってるんです!!さっさとしないと追い出すぞコラァァ!!』

怖いっす。めっちゃ怖いっす。

「だから…ね、バッグとサングラスを置いて来て欲しいんだ…。」
「…また今度で良いですよね…。今日は取りあえずコレで…。」

『お買い上げありがとうございました〜♪またのお越しを…。』



こうして初買物は悪夢で終わったのだった。

「やぁ〜しかし怖かったですね〜。」
「あぁ、ストレス溜まってたんじゃねぇの?」
「うるせぇぇぇ!!にはびっくりしましたよ〜。ビクっと来ました。ビクっと!!」

一生懸命ジェスチャーで表現している絢芽。なんか心が和むなぁ。

「クソ熱いし、アイスでも食べるか〜。」
「お?たまには良いこと言うじゃないですかぁ♪」

買ったばかりの青いスカートをひらひらさせて陽気に踊る彼女。うん、可愛い。

「そういえばこの服似合いますか?」
「うん、とっても似合うよ。」
「買って良かったです♪」
「俺の金なんだけどね…。」
「細かいことは気にしちゃダメですよ!!」
「細かくないだろ!?」
「あッ、あんなとこにカフェが!!」
「人の話を聞けぇぇ!!」
「早速入りましょう♪暑いですよ全く。」
「聞いてないよね…やっぱり…。」


ドアを開けるとカランコロンという音と共に冷気が全身を纏う。

「ひゃ〜、涼し〜♪」
「ちょっと寒くないか…?」
「死神は体温が高いんです!!」
「あ、そうなんだ…。」

ふは〜っと安堵の息を吐きながらメニューを見る絢芽。普通に人間に見える。


「これ食べたいです〜。」
「ん、どれどれ…ってえぇぇぇ!?」

絢芽の指の先には、『夏のフルーツとマンゴーソフトの超巨大クリスタルパフェ』税込み:2980円

「高いし…デカイし…食えるのか?」
「お値段にーきゅっぱですよ!!死神の胃袋をなめちゃいけませんよ!」
「じゃあこれで良いよ。」
「さっすが孝紀さん!!」

ガッツポーズを高々とする彼女。買ってあげて悪い気分にはならない。まぁ…毎日は困るけど(泣)


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