屠られる甘熟体-2
『恥ずかしい?下着姿でカメラの前にケツ突き出してた女に言われる筋合いは無えぜ』
『そういうの≠ヘ慣れてるだろ?オマエが「嫌だ」って言うなら娘に無理矢理やらせてやろうか?ん〜?』
まだ中学生の娘を人質にする卑劣過ぎる手口に、雪絵は身体の震えを抑えられない。
眼前に並ぶストッキングに歪んだ顔は実に禍々しく、まるで魔界から這い出てきた異形の魔物のようだ。
『少し落ち着いて考えてみろ。もし娘がターゲットだったらオマエが帰ってくるのを待つまでもねえだろ?』
「む、娘に変な真似してみなさいッ…本当に殺してやるわよ!」
『だから俺達のターゲットはオマエなんだって。レジェンドグラドルの川上ゆきえを撮りたいんだよ』
『なあ、拒否するかあ?俺達に輪姦されてズタボロになった娘を連れて帰る気かよ?何なら母娘二本立てにしてもイイんだぜ?』
解っていても、今の雪絵には選択肢は限られている。
いや、答えは一つしかないと脅迫されている。
『安心しなよ。俺らの動画を買うのは会員制のお客様だけだ。誰かチクッたら、全員が芋づる式に逮捕ってコトになっちまう……オマエさえ黙ってりゃ誰にも知られねえ……もちろん娘にもなあ?』
『間違っても[川上ゆきえ、待望のAV堕ち]なんて誌面を飾ったりしねえから、安心して撮影しようぜ?』
「きッ…汚いッ!そんな真似までして私をッ…!」
『そりゃあ川上ゆきえには商品価値があるからなあ。〈高く売れる〉って判ってて、指を咥えてるなんて無理ってもんだ』
不意に抱擁から放たれた雪絵は、その場で崩れるように座り込んでしまった。
いくら[母は強し]と言っても、それは我が子を思う強固な意志の事。
もしもこの四人組が暴走したとして、それを止められるとはとても思えない……。
『この部屋の外にも仲間は居るんだ。間違ってもここから出ようなんて思うなよ?』
立ち上がる素振りすら見せない雪絵を見て、鈴木達は屈服させたのを確信した。
自分の愛娘を、しかも未成年の我が子に毒牙が向かうような事を母親がする訳がない。
鈴木は雪絵の前にゆっくりとしゃがむと、両手を縛る麻縄を解き、余裕たっぷりの笑みを浮かべて優しく話しかけた。
『抵抗して俺らを殴ったり噛んだりすんなよ?そん時は娘の顔に倍にして叩き返してやっからなあ……なあ、オマエはチンポをシコらせてナンボの女だろ?大人しく俺らにヤラれろよぉ』
「ッ…ぐぐ…ッ!」
口調は柔らかく、しかし、その内容には脅迫しか含まれない。
固く握られた右手を震わせて下唇を噛んでいる雪絵の瞳には、かずさとは違う激情が揺らいでいた。
それはグラビアアイドルに対する侮辱的な偏見と、それを微塵も疑わずに口に出来る無神経さしか無かったからだ。
更には娘への暴力を脅迫に絡め、無抵抗でいる事を強いてきた。
それは母親となった雪絵の弱点を突く、極めて理不尽で卑怯なやり口だった。