ケンジのお気楽生活-1
二月ほどもするとケンジの精神状態はようやく落ち着いたようで、昼間から寝ていることも徐々に減り、薬も少なくなったと嬉しそうに話した。
この間、友梨奈にも変化があった。
最初は泣いて拒んだ精飲や、性交用の下着を着て義父に尻を差し出して快感を得るのは、絶対に許されないことだと思いながら、既に友梨奈の大きな楽しみになっていたのである。
それに、テレワークで一日中家にいる夫の目を盗み、月に2,3度、裏口から訪ねてくる美幸と三人での性交は、今まで経験したことがない刺激的な経験であった。
いつもタケシに性交部屋に呼ばれるとケンジの顔が浮かび、罪悪感を感じた。
しかし美幸の興奮した様子を見ていると、いつの間にか我を忘れ美幸と一緒にタケシに尻を差し出し、性器の奥深くへの射精をねだるようになっていた。
タケシには妊娠を懇願しながら、事あるごとに友理奈とキスをしたがる美しい美幸と性器をいじり合い、タケシの大量の精液をお互い口移しで飲むのも、今では友梨奈が心待ちにするプレイになっていた。
しかし将来を考えたら、一刻も早くこの家を出て都会に戻り、ケンジと二人だけで生活がしたい。それが偽らざる思いだ。
そしてピルをの飲むのをやめ、ケンジに妊娠させてもらいたい。
「ケンちゃん良かったね。でも無理はだめだよ。ゆっくりね。」
「そうだな......それに俺、そんなにあくせく働く必要もないんだよな。」
「え? どうして? お金は必要でしょう?......私だってちゃんと働くよ。それに赤ちゃんが欲しい......」
ケンジは二階の窓を大きく開いた。
冷たい風が遠くの山から雪を運んできていた。
「あのへんから」
といってケンジは広がる田んぼの遥か彼方を指差し、次に反対側の遠くの田んぼを指差した。
「あのへんまで、全部ウチの土地なんだ。いま狭い道路が走ってるだろう?あれがこれから片側三車線の広い道路になって隣町までつながるんだ。
それであのへんにデカいショッピングモールができて、あの辺にパチンコ屋ができるらしいよ。
ほかに娯楽がないからね。近隣のやつらは皆来るんじゃないかな。」
「......」
「だからとんでもない金が入るんだよ。親父はそのために10年以上も前から土地を買い占めていたんだ。色んな人に金を払って情報をもらってね。」
「でも......」
「考えたら親父が元気なのもあと15,6年くらいじゃないかな。一人息子の俺が遺産を引き継ぐわけだ。友理奈にも今回はいろいろ心配かけたけど、もうずっと楽をさせてあげるよ。」
ケンジは窓をしめると、友理奈をやさしく抱きしめ、キスをした。
さんざん義父の男根を愛撫し、精液をすすった唇であったが、友理奈はケンジの久々のキスが嬉しかった。体に腕を回して大きな胸を押し付け、舌を絡ませあった。
そのまま抱いてほしかったが、ケンジはキスで満足してしまい、それ以上のことはしようとはしなかった。
ケンジは自宅に戻り、毎日薬を飲んで暮らす生活をしているうちに、友理奈が気づかないうちにすっかり変わってしまっていた。
もしかしたらタケシとの性交に夢中になり、ケンジへの気配りが足りなかったのかもしれない。
以前は仕事に邁進し、休日でも仕事の勉強をするくらいだったのに、今では全く覇気が感じられなくなってしまった。
引き締まっていた体もぶよぶよとたるみだしていた。
自宅に戻り、義父の膨大な資産を目の当たりにし、すっかり気力を失ってしまったようであった。
友理奈は深い失望とともに、寝床に横になり、スマホを眺めるケンジを見つめた。