家族旅行での出来事 1日目 夜の狂宴 その1-7
夫にも見透かされていたように感じた香澄は素直に言った。
「そうね。真奈美に問うまでもなく、
わたし自身がそういう判断をしていたんだわ。
真奈美ちゃん、ごめんね。」
「ううん。真奈美、よくわからないけど、
あのお兄ちゃんもお姉ちゃんも、あのおばちゃんも、
とってもいい人だっていうことだけははっきりわかるんだ。でも……。」
「でも?でもどうしたの?」
「3人とも、なんかちょっと、秘密があるみたいな気がするけど……。」
「秘密?あの兄妹と、史恵に?」
「あ、そんなに気にしないで。真奈美の勘違いかもしれないから。」
香澄は再び、真奈美の勘の鋭さに驚いていた。
(あの兄妹に秘密があるかどうかはわからないけれど、
確かにわたしと史恵の間にはそう簡単には話し尽くせないほどの秘密がある。
きっと、今話しただけじゃないっていうことも、
真奈美にはわかっているんだわ。
やっぱり真奈美に全てを話そうと思ったのは正解だったわ。
でも、今はあまりにも時間がなさすぎる。
それに、母親が高校生のころからの淫乱だったということを、
自分の口からあからさまにするなんて……。)
そんなことは恥ずかしくてできない、と香澄は考えたのではない。
そんな刺激的なことをしたら、自分はどんなに興奮するだろう、と思ったのだ。
事実、香澄は自分の股間がヌルヌルになってきていることに気づいた。
(いやだ、わたしったら、昔のことを……。
自分が高校のころから淫乱な女だったということを、
真奈美に話すっていうことを想像しただけで、
こんなに濡れちゃうなんて……。
ああ。やっぱりわたしって、根っからのド淫乱なんだわ。)
香澄は今すぐにでも股間に手を伸ばし、
おそらくはもうすでに真っ赤に充血しているであろう、香澄の一番敏感な部分、
そう、クリトリスを思いきりこねくり回したい気分だった。
しかし、夫や娘の前で、さすがにそれはできなかった。
真奈美には、夫に抱かれれているところはもちろん、
征爾に抱かれている姿や麗子たちとのレズプレイを見られたこともあるし、
真奈美とも愛撫し合ったことはある。
しかしそれは、あくまでも鈴木家での乱交パーティーの流れの中の出来事であり、
お互いの精神状態も性的な刺激を求めての興奮状態の絶頂にあった時の出来事だった。
言ってみれば、なんでもありの状態で、
真奈美の母親でありながら、真奈美の彼氏である敏明にも抱かれることができたのだ。
旅先でたまたまであった松本兄妹と混浴に入るという約束を前に、
夫も真奈美も興奮しているに違いはないが、
香澄はそれだけでは説明がつかないほどの興奮状態であり、
身体はそれに正直に反応しているのだ。
香澄は時計を見た。
松本兄妹との約束の時間まではあと30分足らず。
しかし、香澄が欲しいのは今すぐの刺激だった。
香澄は仕方なく脚を崩し、身体を少し傾けると、
右足のかかとの部分を股間に当てた。
鈍くはあるが、割れ目全体への刺激が加わり、
わずかではあるが快感の波が香澄の全身に緩やかに広がって行く。
香澄は目を閉じて、時間の経過を待つことにした。
しかし、真奈美が突然声をかけてきたのだ。
「お母さん。大丈夫?おなかの調子、悪いんじゃない?
今のうちに、おトイレに行っておいでよ。
わたしたち、テレビ見てるから。ね?お父さん。」
真奈美はそう言うとテレビのスイッチをつけ、ボリュームを上げた。
(……。)
座ったままの香澄を真奈美が促した。
「ほら。お母さん。大丈夫だから。
あ、ねえ、部屋の外にもトイレ、あったけど、
きれいな写真が飾ってあったよ。
そっちに行って来れば?」
真奈美は母親を見て、意味ありげにほほ笑んだ。
(真奈美ちゃん……。)
香澄はゆっくりと立ち上がると、部屋付きのトイレには入らず、廊下に出た。
そして階段の脇にあるトイレに入った。
確かに真奈美の言うとおり、トイレの入り口には雪景色の写真が飾ってあった。
不思議なことに、トイレの入り口には【男女兼用】の札があった。
中は女性がメイクを直すことができるよう、
小さなドレッサーもあり、かなりの広さがあった。
その一角にこれもかなり広めの個室が備えられている。
(温泉旅館には似合わない、豪華なトイレだわ。)
香澄は不思議に思いながらも、個室に入り、ドアを閉めた。
浴衣をめくり上げると、案の定パンティーはぐっしょりと濡れ、
割れ目が透けて見えていた。
(真奈美ったら……。ここでいったん落ち着かせておいでって言うことなのね。)
香澄はパンティーを脱ぎ、汚物入れに捨てた。
そして浴衣を脱ぎ、便座の横にある棚の上に置いた。
トイレの個室で全裸になる。
それだけでも十分に刺激的なことだった。
しかし、ド淫乱の自分には一番ふさわし行為だと香澄は思った。
香澄はそっと片方の乳房を持ち上げるようにしながら、股間へと手を伸ばした。
指先で割れ目を少し広げると、ヌルっとした愛液が溢れ出し、
太腿を伝って流れ落ちていく。
香澄はそれを指先に塗り付けると、そのまま両方の乳首へ塗り付けた。
人差し指と親指の先で乳首をつまむと、乳首は指の隙間をヌルっと滑った。
「アウッ。」
トイレであることを忘れ、香澄はつい声を出してしまった。
客は自分たち家族と松本兄妹だけ。
このトイレに誰かが来ることはまず考えられないが、
従業員が使ったり清掃に来ないとも限らない。
香澄は浴衣の帯を使って、自分の口に猿轡を噛ませた。