お背中を流しますよ?-1
「部屋着をまた間違えて、すべて洗ってしまいました、うふふ、どうしましょ?」
芳恵の母、牧子が、水着姿で入ってきた。
「娘の水着また借りちゃいました、派手かしら?」
浴室の入口で、牧子は嬉しそうに言う。
張り出した大きな乳房が赤地に緑色の、幾筋ものストライプの入ったトップの水着。ストライプは緩く円を描き、彼女の乳房の丸みを強調しているような錯覚を与える。先日の牧子の水着姿も鮮烈だが、今晩の水着姿に比べれば放たれる色香はまだまだおとなしい。露出多目のきわどいカットで牧子のオンナ度を盛り上げている。
ボトムもトップと同じ柄で、生々しくもミルク色のふとももを強調し、目にまばゆい。牧子が、娘の水着を着慣れないためなのだろうか?クロッチを余計に股間に食い込ませるように見えるのは?
その足の付け根には、食み出した陰毛などなく、小まめに処理をしているのだろうか?牧子の陰毛群は水着の中に納まっているように見えた。
彼女の腹部は見事な引き締まりを見せている。そう言えば、卓を囲んだ食事の最中、牧子はダイエット中、と言って、あまり多くを食べなかった。その効果の表れなのだろうか?
括れた腰のカーブから臀部にかけての絶妙な曲線が見事で、芳恵とカラダつきがよく似ている、母娘だな、と思った。左右を腰に引っ掛けるようにボトムをローライズに履いているため、その腰の括れが余計に強調して見える。
「いやだわ、あんまり見ないでくださいな。恥ずかしいわ、娘の水着を着ている姿、見られるのは」
派手かしら?と聞いた割には見るな、という。恥ずかしそうに真っ赤にした顔を俯かせ、牧子はその場でふとももを擦り合わせ、しなを作った。
「さ、お背中流しますよ」
湯船の僕に、出て背中を向けろと即すのだが、困ってしまった。芳恵の母親だというのに、そして小さい頃の僕を知る、自分の母親にほど近い牧子の、裸同然の姿を見て、僕の股間は我知らず元気になっている。
この6日間、幾度も芳恵の母に欲情し、秘かに勃起してしまう僕であったが、さすがに今の股間の状況を知られてしまうのはまずい。
「あ、あの・・・。き、今日は、大丈夫ですから・・・」
そう言って、やんわりと背中を流してくれる牧子を断ったが、
「何を言っているんです?今日は大変だったでしょう?所長先生がお亡くなりになって、大騒ぎだったと仰っていたじゃありませんか?」
と言いながら、浴室に入ってくる。
「あ、ま、待って。待ってください・・・。そ、そのう・・・も、もう少し温まりたいので・・・」
湯船から出るのを何とか回避しよう、とは思ったが、普段は淑やかな牧子が、いつになく積極的だった。湯船近くまで寄って来るとは思わなかった。それ以上は進まないでと彼女を抑え、なんとか時間を稼ぎ、牧子の刺激的な姿を見て勃起した自分を鎮めれば何とかなるかもしれない。
「温まりたい、って仰ってるけど、もう顏真っ赤ですよ?ほらほら、のぼせてしまう・・・」
牧子がずかずかと歩みより、ピタ、と立ち止まる。言いかけた言葉を呑んで、口を手で押さえた。彼女は、湯舟の中でしっかり天井を向いた、僕の勃起を見つめ、凍り付いたように動かなくなった。