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うっかりママさん
【若奥さん 官能小説】

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房野充-1

(ふー・・いけない、いけない)

またうっかり買い忘れをしてしまい

もう一度近所のスーパーまで来るはめになりました早山みどりです。

(特売の野菜に目を奪われて一番大事な、切らしてた醤油買い忘れるなんて・・)

マルチに物を考えるのはわたしには到底不可能な芸当なのかも知れません。

(気が散りやすいから余計なことは極力考えない様にしないとねー)

やや遠い目をしながら調味料コーナーへたどり着いたその時

「石田?お前石田じゃないか?」

「?」

わたしを呼ぶ声に振り返って見ると

高級そうなスーツを着たスラッと背の高い見知らぬ男性が立っていました。

「すみませんけど人違いじゃありませんか?」

「いやいや、お前を見間違えるわけないよ、石田みどりだろう?○○中学の・・」

(あ・・!)

結婚してからの早山という苗字に慣れていたのでど忘れしていましたけど

確かにわたしの旧姓は石田でした。

出身中学も合ってるし、という事はこの男性は元同級生なのでしょうか・・?

「こんな所で石田に会えるなんて嬉しいな!な、な、今からちょっとだけ付き合ってよ」

「え?すみませんどちら様で、きゃ!」

有無を言わさずわたしの手を掴みスーパーの向かい側のカフェへと牽引しながら

「俺、房野だよ。房野充。2年生の時に同じクラスだった!」

と話すこの房野と名乗る男性について必死に思い出そうとしている内に

カフェの席へ向かい合う形で座らされました。

「ごめんなさい、やっぱりちょっと思い出せないです」

そもそも一番必要だった醤油すら買い忘れてしまうポンコツな記憶力を持つわたしです。

中学校時代の同級生男子なんて思い出せるはずもありません。

席に座り彼が頼んでくれたコーヒーを飲みながら

今一度目を凝らして彼を眺めました。

スポーティーな髪型に血色の良さそうな男らしい顔。

流行り顔のイケメンという訳ではありませんが身長が高く

どこか自信に満ち溢れていてモテそうな雰囲気のある男性でした。

(房野・・房野充・・?うーーん)

やっぱり思い出せません。

頭を抱えているわたしをどこか懐かし気に見つめながら

ときおり目尻をクシャッとさせて微笑む彼は「まぁ、無理もないかもなー」といい

フッと軽くため息をついたあと

「ほら俺、ブタ野だよ。あ、ブサ野とも呼ばれてたっけ」



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