恋心 最終章-3
「オレさ、」
ドキッ…
「前にも言ったけど、桜ちゃんのことスキなんだ。なんかさ、もうどうしようもないんだよ。桜ちゃんのことスキすぎて、昨日はあんなこと言っちゃったし。自分の気持ちばっかり前に進んじゃって、そのせいで桜ちゃんのこと傷つけたり、嫌な思いさせたりしてたらゴメン。毎日会いに行ったりして、迷惑だったかもしれないけど、本気なんだ。他の女なんか目に入らないし、絶対大切にするって約束する。だからさ…オレと付き合って?」
涙が溢れて止まらない。言葉が出てこなくて、ただ俯いて泣くことしかできない。呼吸がうまくできなくて苦しい。
「嫌ならはっきり言っていいよ。試しに付き合ってみるとか、オレそうゆうの嫌だから。そのほうが諦めがつくし。って言ってもすぐには忘れられないけど…」
彼は諦めたように言う。ちゃんと言わなきゃ、自分の気持ち。
「私ね、嫌なんかじゃないの。私のこと、そんな風に言ってくれて、すごく嬉しいよ」
「じゃあ付き合ってくれるの?」
不安そうに私の目を見つめてくる。私も彼の目を見て頷く。
「本当に?嘘じゃないよね?」
私はもう一度頷く。
「そっか」
彼は拍子抜けしたように、ポカンとしている。
「本当にオレと付き合うの?」
「じゃあやめる」
ちょっと意地悪して言ってみた。
「っ…!!!ゴメン」
慌てて謝ってくる。
「もう一回私のことスキだって言ってくれたら許してあげる」
「スキだよ」
なんかあっさりと言われると、こっちが恥ずかしい…。
「そういえばオレ、桜ちゃんにスキだって言われてないなぁ」
あっ…。本当は言いたくないんだけど…。余裕な顔してるのがなんかムカつく。自分の顔が赤くなっていくのがわかる。
「顔赤くなってるよ?桜カワイイ♪」
そう言って抱きついてきた。
「絶対大切にする」
私を抱き締める腕の力が少し強くなる。
こんなに居心地がいいなんて知らなかった。今この瞬間がすごく幸せだと、心から言える。
「龍太…大好きだよ」
〜終〜