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香澄の本性
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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   夜の狂宴の前に 香澄の性春 その1-3

史恵が言っている理屈が正しいかどうかは別として、
香澄は、史恵が〔匠君に抱かれてもいい〕と言う言葉に反応した。

「史恵が、匠君に?」
「うん。だって、見ているだけなんて、
 年頃の男の子にとっては死ぬくらい辛いことなんだよ。
 わたしから頼んでおいて、辛い思いだけさせるなんて可哀そうでしょ?」
「で、でも、匠君は……。」
史恵にそう言いながら、香澄は恐る恐る匠の方を見た。
匠は困ったような顔で史恵を見た。

「あ、匠君。ごめん、可哀そうなんて言ったら失礼だよね。
 匠君に我慢をさせるなんて、失礼でしょ?
 無理を言ってきてもらったのはわたしなんだし。
 でも、香澄がもし帰っちゃうんだったら、
 やっぱりわたしが匠君にお詫びをしないとね。ね?」

香澄は匠を見た。
匠は顔を上げ、香澄の方をちらっと見ただけで、史恵の方を向いて頷いた。

「ね?匠君も、その気になってくれたでしょ?
 だから、後は香澄次第なんだよ
 それにね。
 豊君ったら一人じゃ不安なんだって。
 女の子とするの、初めてだから。」

(と言うことは、史恵は初めてじゃないっていうことなの? 
 でも、豊君が初めてってことと、匠君のことは関係ないんじゃないの?)

香澄が疑問に思うのは無理もなかった。
史恵は、香澄と匠の中を取り持つふりをして、
実は豊と匠の二人と関係を持ちたかったのだ。
もちろん、香澄と匠の仲を取り持つというのも本当ではあったが、
香澄が怖気づいて帰ってしまっても、
史恵は最初から豊と匠2人を相手にするつもりだったのだ。

既に何人かの男を経験してきた史恵は、
考えることも、そして実行力も、未経験者の香澄たちよりもはるかに上だった。
「あのね、香澄。
 わたし、匠君にここに来てもらうために、
 香澄が匠君のこと、好きだってこと、実は話しちゃったんだ。」

「えっ?」
香澄は匠の顔を一瞬だけ見た。
匠と目が合いそうになった瞬間、香澄は真っ赤になって下を向いた。

「だって、匠君ったら、理由もわからないのに、
 わたしの家に来るのは嫌だっていうんだもん。
 どうして?って聞いたら、好きな女の子がいるからって。
 だから、わたし、それって、もしかして香澄じゃないのって聞いたんだ。
 そしたら、匠君、なんて言ったと思う?」

史恵は意味ありげな表情で香澄の顔を覗き込んだ。

香澄には何とも答えられなかった。
匠がどう答えたかよりも、
自分が匠のことを好きということを、
もうすでに史恵によって知らされてしまったということが、
恥ずかしくて仕方なかったのだ。 

赤くなって黙り込んだ香澄の気持ちを知ってかしらずか、史恵は話し続ける。
「香澄。匠君ね。香澄が匠君のことを好きだって言ったら、
 今のあなたみたいに真っ赤になって俯いちゃったの。」
「……。」
「だから、どうしたの、匠君?って聞いたら、
 ボクも、って、小さな声で……。
 ね?匠君。」

香澄が辛うじて顔を上げ、匠を見ると、匠は香澄の顔を見て頷いた。
「ね?そういうことなんだって。
 香澄、よかったね。匠君と両思いで。」

(匠君も、わたしのことが好き?えっ?本当に?)
香澄は史恵の言うことも、匠が頷いていることも、信じられなかった。

「それでね。
 話しは戻るんだけど。
 わたしの家に香澄が泊まりに来るよって伝えたんだ。
 両親はいないから、匠君も来ない?って。 
 で、どうせだから、一緒に泊まったら?って、誘ったの。
 そうしたら、匠君、なんて言ったと思う?」
「……。」
「香澄と二人きりじゃ恥ずかしいんですって。
 豊君と同じこと言うから、わたし、びっくりしちゃった。
 だったら、匠君と豊君二人が泊ってくれて、
 香澄も泊ってくれれば一番いいわけでしょ?」

「で、でも、わたし、いきなり、そ、そんな……。」
香澄は嬉しさを通り越して不安になっていた。

(告白もしていないのに……。
 匠君もわたしのことを好きだって言うのはうれしいけれど、
 いきなりお泊り?
 そんなのって、不良のすることっでしょ?)

「ねえ、どうする?香澄。」
香澄は何も答えられないままだった。
すると史恵はあっさりと話題を変えた。

「あのね、香澄。わたし、豊君に告白したの。」
「えっ?」
「そしたら、付き合ってもいいよって言ってくれたんだ。
 それだけじゃないの。
 今日、泊っていってもいい、って言ってくれたの。
 でも……。ね?」
そこまで言うと史恵は、黙って豊の顔を見た。

史恵に促されるように、豊は慌てて、つっかえながら話し始めた。
「あ、あの、あのさ、お、オレ、も、いきなり、二人きりは、恥ずかしいから。 
 えっと……。匠と一緒だったら、泊っていっても、いい、よ、だっけ?」

言葉がなかなかつながらない豊をフォローするように史恵が言った。
「豊君も、泊っていきたいのよね?ね?ねっ?」
「あ、あ、ああ。そ、そうなんだ。で、でも、一人じゃあれだから、匠も……。
 で、男女二組で泊まるんだったら、いい、よ?あ、そうか、いいぞ。」

豊はそこまで言い終えると、ホッとしたように、下を向いた。
「ね?わかったでしょ?
 つまり、豊君が泊まってくれるかどうかは、匠君次第なの。
 で、匠君は、香澄次第って言うわけ。
 ねえ、匠君。
 匠君は香澄と一緒に泊まりたいのよね?ね?」


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