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真奈美の性春
【学園物 官能小説】

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家族旅行での出来事 1-1

金曜日の昼過ぎ、真奈美たち家族は久々に家族旅行に出かけた。
言ってみれば中学卒業、そして高校進学、二つのお祝いを兼ねた旅行だった。

父親である雅和は、この旅行を家族全員のリフレッシュの旅と考えていた。
これを機に、今までの一切のわだかまりを捨て、
改めて3人のきずなを深めようと考えた。
だから、真奈美と香澄と相談のうえ、スマフォは家に置いていくことにしたのだ。
誰と連絡を取ることもなく、家族3人だけで過ごす時間。
具体的に言えば、敏明も征爾も、麗子も紗理奈も潤一も美奈子も、
家族3人以外は誰も関わらずに過ごす時間を持とうとしたのだ。


雅和はレンタカーを用意していた。
それは3人家族が旅をするには大きすぎる、7人乗りのワゴンだった。
目的地はどことはっきり決めてあるわけではなかった。
それこそ、足の向くまま気の向くままに車を走らせ、気が向いたところで車を止め、
思いつくままに行動をする。
その中で、何かしらの出会いがあるだろう。それがものなのか人なのかはわからない。
しかし、そこから何かが生まれ、何かが変わる。
いや、何も生まれなくても変わらなくても、
雅和はそこから新しい何かが始まると確信していたのだ。




一方、真奈美たち家族が旅行に出かけた週末、
鈴木家ではまた別のホームパーティーが開かれていた。
征爾は、この関係をいずれは生野家にも広げていこうと考えてはいたのだが、
今の段階では雅和にも、まだ秘密裏に行われていた。

相手は香澄を含む鈴木家の女たちを襲った、あの田辺の家族である。

香澄が征爾たちのいない鈴木家を訪れた時、
麗子や紗理奈、美奈子、そして客として訪れた香澄を襲ったのは、
征爾が仕組んだフェイクであった。
雅和は征爾からの報告や送られてきたビデオデータで、
全てを知っていたし、
計画自体、それが実行される前に知らされていた。
いや、知らされていただけではなく、その計画の立案に、一部加担していた。



鈴木家と生野家。
それぞれがそれぞれの思惑を持ち、
どちらも新しい何かの始まりを期待し、
週末の数日が始まった。


あいにく天候は下り坂。
しかも、数十年に一度と言われる台風も接近していた。
そんな中、生野家は家族旅行。
そして鈴木家ではホームパーティー。

そして、それぞれが運命的な日を迎えようとしていた。




生野家の家族旅行。
それはまだ始まったばかりだった。

ちょうどその頃、真奈美たちは山間の日帰り露天風呂を目指して車を走らせていた。
走行中、真奈美が看板を見つけ、どうしても行ってみたいと言い出したのだ。

「ねえ、今、なんかお風呂の絵が描いてあった。」
「お風呂の絵?看板か何かかな?」
「うん。看板。なんとか天風呂って書いてあった。」
「ああ、たぶん露天風呂だろ。」
「ねえねえ、露天風呂ってなあに?」
「あ、そうか。真奈美は入ったこと、ないかもなあ。」
「ねえ、ねえ、露天風呂ってなあに?」
「これこれしかじか……。」
「わ〜。行く〜!行ってみた〜い。入りた〜い。」
そう言うわけで雅和はカーナビで近くの露天風呂を検索し、
今、そこに向かっているところだった。
香澄が連絡を取ると、そこは渓流沿いの旅館で、
露天風呂も川沿いにいくつか設置されており、中の一つが混浴だという。

残念ながら露天風呂の貸し切りはできないが、
幸い今日は予約客もないので、
恐らく家族3人でゆっくりは入れるだろうということだった。

香澄は宿泊の予約を取った。
真奈美はもう盛り上がりっぱなしで、
30分ほどの道のりが我慢できないほど盛り上がっていた。

途中からわき道に入り、渓流めがけて山道を下っている時、
外を見てはしゃいでいた真奈美が、道端に座り込んでいる二人組を発見した。
どうやら一人が足を痛めているようだった。
雅和は車を止め、声をかけた。

「どうかしましたか?」
「あ、いや、大丈夫です。ちょっと脚がつっただけで。」
「歩けますか?」
「ええ。少し休めば大丈夫だと思います。」
「失礼ですが、どちらまで行かれる予定で。」
「ありがとうございます。本当に大丈夫ですから。」

雅和の問いに答えているのは20代の男性。脚を痛めたのは連れの女性。
こちらも20代だろうか。
二人とも軽装で、リュックをしょっていた。
ちょっとした山歩きのカップルだろうか。
しかし、ここは最寄駅からはかなり離れているし、
一番近いバス停からも、1時間以上はあるだろうか。
真奈美は女性の方がずっと俯いたまま黙っていることが気になった。
「ねえ、お姉さん。具合が悪いんでしょ?歩けないくらい……。」
真奈美に声をかけられた女性がようやく顔を上げた。
心なしか顔色が悪いようにも見える。
「ほら、やっぱり具合が悪そうだよ、お父さん。」
「ああ。そうだな。あの、もしよろしかったら、病院探してみましょうか?」
「あ、いえ。本当にたいしたことないんです。」
「でも、かなり辛そうだ。無理しない方がいいですよ。」

その時、ぽつぽつと大粒の雨が降ってきた。
「あ、ほら。とうとう降ってきた。
 そうだ。わたしたちはこの下の旅館に今夜泊まる予定なんです。
 あなたたちも、予定がないのなら、そこで泊まるっていうのはいかがです?」
雅和にそう言われた二人は顔を見合わせた。
雨の降りは次第に強くなってきて、周りの木々の葉に雨が跳ねる音が聞こえるほどだ。


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