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真奈美の性春
【学園物 官能小説】

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家族旅行での出来事 1-2

雨音にかき消されてなのか、二人の声は聞こえなかったが、
口元が小さく動いているのがわかる。
しばらくして男性の方が口を開いた。
「それではお願いできますか?
 実はぼくたちもあの旅館を目指していたんです。」
「だったらちょうどよかった。さあ、乗ってください。」
「本当にすみません。」
「ありがとうございます。」
「な〜に。困っている時はお互い様です。遠慮しないでくださいね。」
「すみません。車内が汚れてしまうかも。」
「気にしないでください。どうせレンタカーですから。
 あ、上着は脱いだほうがいいですよ。洋服が濡れますからね。」
雅和は笑いながら言った。

3列目のシートに乗り込んだ二人は車が走り出すと、直ぐに自己紹介を始めた。
「本当にすみません。あ、ボク、広瀬と申します。
 広瀬孝志。親孝行の孝に志と書きます。こっちは真央。妹です。」
「あ、ご兄妹ですか。そうですか。でも、兄妹でご旅行、ですか?」
「ええ。時々、二人で旅に出ます。」
「電車ですか?」
「ええ。〇〇駅まで。そこからバスに乗って▽〇で降りて、歩き始めたんです。」
「じゃ、ここまでずいぶんかかったでしょう。」
「ええ。昼前から歩き始めて4,5時間、でしょうか。」
「ほ〜。ボクだったら半分も歩けずにダウンですね。」

「あなた。話に夢中になってちゃんと前を見て運転してくださいよ。」
「わかってるって。耳は後ろでも目は前を向いてるさ。
 あ、そうそう、わたしたちは生野と申します。
 こいつは妻の香澄。後ろにいるのが娘の真奈美です。
 あ、ボクは雅和。こうやって会うのも、何かしらの縁だと思うんで、よろしく。」
「あ、こちらこそ、よろしくです。」

車は渓流目指して右へ左へとカーブを切りながら進んでいく。
雨の中、しかも具合の悪そうな様子だった真央には、とても歩けなかっただろう。

旅館についてチェックインすると、
今日の宿泊客は真奈美たちと広瀬兄妹の2組だけだという。

「やった〜。貸し切りだ〜。」
「貸し切りっていうわけじゃないわよ、真奈美ちゃん。
 広瀬さんたちがいらっしゃるんだから、
 あんまり盛り上がってご迷惑かけないようにしないと。」
「は〜い。あ、ねえねえ、ごはんの前に露天風呂行こうよ〜。」
「そうね。サッパリしてから夕飯がいいわね。」
「ああ。そうだな。じゃあ、二人でいてらっしゃい。」
「え〜?どうして〜?3人で入ろうよ〜。」
「真奈美。貸し切りじゃないって、さっきお母さんが言ったろ?」

すると雅和の遠慮の原因に気づいた広瀬が雅和に言った。
「あ、ボクたちだったら気にしないでください。
 妹は部屋で少し休んだ方がいいと思うので。」
「あら、お客様。具合がお悪いのかしら?」
旅館の設備の説明をしていた仲居が広瀬兄妹に声をかけた。

「いや、こちらに来る途中で疲れてしまったようで。
 それで、たまたま通りかかったこちらの生野さんに拾っていただいたんです。」
「まあ。それは運がよかったわね。
 あ、でも、だったら直ぐにお湯に浸かった方がいいわ。
 あのね。ここの温泉、疲労回復にはもってこいなのよ。
 それにね、それだけじゃないの。
 子宝の湯としても有名なんだけど、
 実は滋養強壮はもちろん、精力絶倫の湯、とも言われているのよ。」

一緒に話を聞いていた雅和が素早く反応した。
仲居はそれを全く意に介さず、広瀬たちに向かって話し続けている。
「へ、へえ。そ、それは珍しい、ですね。」
「お客さんのような若いカップルには必要ないかもしれないけれど、
 入るたびに男も女もギンギンの濡れ濡れ間違いなしなの。
 なんなら中で始めちゃってもいいんじゃない?
 貸し切りじゃないのになかなか出てこないカップルがたくさんいるから。
 あ、ごめんなさい。お子様もいらしたのにね。」

仲居が興味深そうに聞いている真奈美の存在に気づいて慌てて口を押えた。
「あ、お気遣いなく。この子も、そう言ったことはよくわかっていますので。」
「よくわかってらっしゃる?そ、う、なんですか?
 でも、まだ20歳そこそこ、でしょ?」

自分のことを言われていると気づいた真奈美は仲居に向かって指を出しながら答えた。「あ、真奈美、15歳だよ。今度、高校生。」
「15歳?えっ?」
「あ、いや、驚かれるのは無理もないと思います。こいつ、結構早熟で。
 頭の方はさっぱりなんですが、身体の方と経験値の方は一人前で。」
「あなた。余計なこと言わないの。」
「いや、叱られました。」

仲居はバツが悪そうな顔をして雅和に言った。
「では、まあ、ご夫婦で、後程、ごゆっくりと……。
 じゃあ、こちらのお若いカップルさん。まずは混浴の方へいかがです?
 お食事までにはまだずいぶんお時間がございますから、
 お二人で入られたらいかがです?
 誰もお邪魔しませんから、ごゆっくりと……。」

仲居さんは意味ありげに笑ったのを見て、孝志が言った。
「あ、あの。ボクたち、兄妹ですから。」
「あ?えっ?ご兄妹?あら、失礼しました。ご新婚さんかと思っちゃったから。
 あ、ご兄妹なのね。あら、そう言えばよく似てらっしゃる。」


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