㉓剛に配当-1
翌日、病院の医務室でお茶を飲みながら昨日の事を思い出していた。
自分には寝取られ願望があるとハッキリわかった。
今度は自分の意志で綾香に他人棒を与えそれを鑑賞してみたいと思った。
幸い妻も夫のこの性癖に気付いている筈だ。
あの興奮と快感は麻薬の様に翔太をそそのかす。
職務が終わった後自室の504号室ではなく601号室を訪ねた。
「本郷君。昨日は帰ちゃったんだね。寝てしまっていたから気付かなかったよ。」
康太は小泉医師がここに来た理由を見抜いていた。
「僕の先輩の一人がラブホを経営しているんだが悪い人でね。
その一室に鏡の部屋というのを作ってマジックミラーでベッドを囲んでいるんだ。」
「それって他人のベッドが覗けるという事だね。」
「そうなんだ。僕も何度か見せて貰ったけどベッドのどの方向からも見えるんでそれは凄いよ。」
「どうだろう。それ僕にも見せてくれないかな。」
「いいよ。ただし覗く相手は綾香さんだ。彼女の不倫現場を覗いてみたいと思わないかい。
相手は剛ってセックスの上手い若者を用意しておくから何としても奥さんを説得するんだな。」
そんな馬鹿げた条件を本気で考えながら帰宅した。
妻は本当に僕の性癖を理解してくれているだろうか。
そして夫のために協力してくれるだろうか。
そんな不安を抱きながら妻を呼び寄せた。
<完>