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透明な炎
【女性向け 官能小説】

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お昼過ぎに横浜で待ち合わせをして横須賀線に乗り込んだ。
鎌倉から江ノ電に乗り換えて、しばらくすると左側に海が広がる。
初夏の江ノ島はきらきらとまぶしいほどに輝いて
江ノ電の中まで明るくなる。

海は沖のほうにはヨットの帆が色とりどりにはためいて
水辺にはたくさんの海水浴の人がひしめき合っていた。

まるでドラマのようなその光景に
「夏だね」
とポツリと言えば、混んでいる江ノ電のつり革にぶらりと腕をかけて
ゆらりと私のほうに身体を傾けて
「来週は海行くか」
なんて笑う。

来週?
来週も約束するの?

奥さんと喧嘩でもしたのか
週末続けて会って
翌週の約束までしようとする。

「近頃上手くいってなくてさ」

そんな相談をされたらどうしよう。
99%の不安の中に1%の期待を隠すように

「銀座に連れて行かないからだよ」

小さく呟けば

「海より銀座に行きたいのか?」

武藤はしっかり拾ったようで

「ちがう」

否定しようとしたとき、緩やかなカーブに二人の体がくっついた。



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