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任務中なのに〜アパート張り込み編〜
【レイプ 官能小説】

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久しぶりの休日-1

悠子は本部に戻ると早速課長より呼び出しが掛かる。課長は悠子が来ると、

『上手くいったみたいだな。』
『少し、バタバタしたみたいだが。』

と言う。悠子は、

『はい、運良く良い結果になりました。』

と答える。課長は笑いながら、

『結果良ければ全て良しだ。』
『良くやった。』

と御機嫌だ。続けて、

『明日、記者会見する。』
『今日中に出来るだけ成果をまとめてくれ。』
『君も出るか?』

と聞く。悠子は、

【明日、記者会見か。】
【今日は、帰れないかも。】

と思いながらも、

『いえ、私はこれからも現場に出たいので遠慮させて下さい。』

と答える。課長は更に笑顔になりながら頷き、

『そうかね。』
『分かった。』

と喜びを隠そうとしない。悠子は、

【はっきりしてる人だ。】
【自分に注目を浴びる事が好きなんだな。】

と思い櫻井の事を思い出し、

『逮捕に貢献してくれた協力者がいるのですが詐欺組織の報復を恐れ内密にして欲しいと言っています。』
『課長からこの事に通達を出して欲しいのです。』
『本人と約束しましたし、親しい記者にリークする捜査関係者がいるかも知れません。』

と要請すると課長は、

『うん、最もだ。』
『協力者の保護には最大限気を配らないとな。』

と凄く乗り気だ。手柄の分散を阻止出来る為だろうと悠子は内心そう思った。課長はその通達をすぐに出し効果を発揮した。誰も櫻井の事を記者にリークしなかった。

課長は自分の指示・命令を無視される事を何より嫌う。そうしない者には粛正とも言うべき報復措置が取られるのだ。

それに他の捜査課も今度の事件では大きな成果を上げており、その事も通達が守られた理由だろう。

部下達には帰る様に言ったのだが全員残り明日の記者会見の資料作りを手伝ってくれた。明日も詐欺組織のメンバーの自宅の家宅捜査等が有るのに悠子は悪い気がしたが証拠品は膨大な数でリスト作りだけでも大変だった。

悠子は課長と相談して強制捜査のアジト数、詐欺組織の資金の摘発とおおよその金額、詐欺組織のメンバーの検挙人数の概要だけの短い会見にする様に頼んだ。

実際、詐欺組織のメンバーの取り調べやメンバーの自宅の家宅捜査が未だ済んでおらず、全容解明には時間が掛かる。課長は、渋ったが結局了承した。

強制捜査の概要だけでも大きな成果だと解るし、拙速にまとめた情報に齟齬が有って責任を追求されるのは自分だからだ。

お陰で悠子や部下達も早く資料作りが終わった。仕事が終わり、山田が民家での詐欺組織の逮捕劇を未だ話していない同僚に披露していた。

『主任がこんな風に拳銃を構えて、パンパンと連射してあっという間に撃ち倒したんです。』

と山田が極端なガニ股の姿勢をして話している。悠子は、

【そんな姿勢して無かったわよね。】

と苦笑いする。山田が続けて、

『主任に掴み掛かろうとした被疑者を主任得意の合気道の技で、エイ!ヤッ!と5mは投げ飛ばしてましたね。』

身振り手振りで饒舌に話している。悠子は笑いながら、

【そんな遠くに投げて無いでしょ。】

と思っていると捜査官の1人が、

『本当か?』

と疑わし気に聞く。山田は得意気に、

『間違い有りません!』
『僕は目の前で見ていたんです。』

と断言する。緒方が、

『お前の話しは半分位に思って丁度良い。』

と言うと山田が悪戯ぽく、

『でも緒方さんがアパートの塀を乗り越える時お尻を塀に擦りズボンに穴が空いたのは100%事実です。』

と言う。緒方が自分の尻を触り、穴が空いているのを確認して、

『何で早く言わないんだ。』
『余計な事はベラベラ喋るくせに。』

と山田の腕を得意の柔道の技で決めようとする。山田が悲鳴を上げ、みんな笑い出す。悠子はそんな様子の部下達を見ながら、

【山田君始め、みんな無事で本当に良かった。】
【詐欺組織の撃たれたメンバー達も命の心配は無く完治するそうだ。】

と改めて安堵していた。

翌日の記者会見は、問題なく終わった。詐欺組織の摘発としては最大の成果である。

他県にまたがる10数箇所の摘発に逮捕された被疑者の数も最大で、押収された資金のおおよその金額が発表された時は記者達からどよめきが起きた。
 
部長や他課の部課長が数多く並ぶ中、発表する悠子達の課長の顔は誇らしく満足気に見えた。組対課の課長だけが仏頂面だったが。

悠子は記者会見を見届けると近くの談話室に入り、メモ紙を見てスマホで電話する。

『坂上さんでしょうか?篠山と申します。詐欺グループの構成員の情報を教えて頂いた。』
『ええ、そうです。』

と話し始める。相手は、今回の詐欺組織摘発のきっかけとなる情報を提供してくれた詐欺被害者の坂上と言う70代の男性だった。

坂上の情報から詐欺組織の摘発に繋がった事を伝え改めて感謝の気持ちを伝えると坂上は大いに喜んでくれた。

捜査は未だ途中で全容解明には時間が掛かると伝え、被害金額はいくら戻ってくるか分からないと伝える。 

坂上はお金の事は気にしていない、人を騙す卑劣な犯罪者が捕まって嬉しいと言ってくれた。

悠子が今日のニュース等で流れるだろうと言うと坂上は興奮している様だった。詐欺組織の残党がいるので余り捜査協力した事は人に話さない方が良いと伝える。

悠子は、捜査が進展したらまた連絡すると伝えると坂上は感謝してくれた。電話を終え、

【あの様子じゃ、周りの人達に話しちゃうわね。】

と悠子は苦笑する。でも坂上に良い報告が出来て良かったと思った。


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