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透明な炎
【女性向け 官能小説】

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-5


「武藤は良いよね」
「なんで?」

予約してくれた店でひとしきり仕事の愚痴を言って
それでもこの仕事が好きで。

こんなにやりがいのある仕事はほかの会社じゃできない。
ちゃんと分かってるけど
どう考えても忙しい。

「プライベートが充実してて」

『結婚してて』なんて言わない。
私が結婚できない女だと思われたくないから。
結婚願望が強いのか薄いのかさえよく分からなくなってきた。

「自分で充実させンだよ。安西は休日何やってんの?」

・・・・寝てる

って言ったら笑われんだろうな。

良いよね。
休日だろうと朝起きたら朝ごはんが出て来てさ。
奥さんに「シャワー浴びてスッキリしたら買い物にでも行くか」
とか言っちゃうわけ?
「え?ほんと?昨日銀座で欲しい服があったんだけど・・・」
「知ってる。銀座で友達とランチしたんだろ?昨日の夜言ってたじゃん」
「買っていいの?」
「いつも家事をやってくれてるから。本当に感謝してんだよ」
「え〜。私も!私も感謝してる!」

とか、土曜の朝に会話してんのかな?



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