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透明な炎
【女性向け 官能小説】

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「私も奥さん欲しいなぁ〜」

まともに海外事業部で男と対等に仕事をするには結婚なんか出来ない。
家事をしている時間的余裕も心の余裕もない。

「は?」

まして恋すらめんどくさい。

「なんでもな〜い」

何でも持ってるこいつに『女だから』と弱音をはきたくない。

「奥さんじゃなくて旦那さん、だろ?だけど、安西の場合はその前に恋だろ?」

顔を見なくてもくすくす笑っているのが分かる。
肩が揺れるほど笑うんじゃない!

「聞こえてんじゃん」

席が近いのも考えもんだ。

恋なんかいつ以来してないんだろう?
激しい恋をしたいとあんなに思っていたのに
激しくない恋、すらしていない。

はぁ・・・

少しだけいつもより大きなため息をついた私に

「19時に店を予約する。終わらせろよ」

と、武藤が一瞬だけパソコンから視線も手も外してプライベートのスマホに手をかけた。

「はい、予約完了」

何をやってもソツのない男だな。

「了解」

あと3時間。絶対に終わらせたい仕事に着手した。



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